ユア・マイ・サンシャイン | 2005 韓国 東芝エンタテインメント YOU ARE MY SUNSHINE |
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ストーリー | 農村で母親と二人暮しのソクチュンは喫茶店で働くウナに一目惚れ。結婚するものの、彼らの運命は過酷なものだった・・・・ | |||
監督 | パク・チンピョ | |||
出演 | チョン・ドヨン | ファン・ジョンミン | ナ・ムニ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | フィリピンで花嫁探しを!などと、農村の花嫁不足が深刻なのは韓国も同じ。そんな田舎の喫茶店にやってきたウナ(チョン・ドヨン)は夜はホステス、昼は売春もしているのが公然の事実。それでも惚れてしまったソクチュン(ファン・ジョンミン)。金もないのに彼女のためなら・・・と、嫌われても嫌われてもしつこくアタックするのであった。売春する女よりはフィリピーナのほうがいいのに・・・ なんとかめでたく結婚した2人。しかし、幸せな日々はそう続かなかった。昔の亭主、というより、まだ正式に別れていなかったかつての男が現れたのだ。牛を売ってまでして大金でケリをつけたのに、しつこい元亭主。なんとかケリはついたけど、黙って去ってゆくウナ。HIV陽性だと知らぬまま・・・ オッパ、ミアネ、ケンチャナ、サランヘ・・・それだけで愛の会話が成り立つ。エイズについての偏見やバッシングも凄いものがあった。まぁ、売春を続けたという罪はあったけど、彼女は知らなかったんだから・・・ 一途な愛。嫁不足の田舎暮らしという状況もあったのかもしれないけど、村八分のような扱いやエイズの偏見も苦にせず愛を貫く姿は感動的。なかなか真似できるものではない。 (2007.10)
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誘拐 | 1997 日本 東宝 |
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ストーリー | 東昭物産の常務が誘拐された。犯人グループは身代金3億円に加え、身代金受け渡しのテレビ中継を要求してきた。 | |||
監督 | 大河原孝夫 | |||
出演 | 渡哲也 | 永瀬正敏 | 酒井美紀 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★★ |
コメント | 犯行声明、テレビ中継といった“劇場型犯罪”。 身代金を運ぶ人間を指定してきた段階で、何か裏があるとは感じてしまう。それをロス市警やFBIでプロファイリングの経験を積んだ新米刑事の永瀬正敏が推理するものの、ベテランの渡哲也が抑える。東昭グループではあるが、常務とは繋がりが見当たらない“運び屋”。年なんだし、3億円を運ぶのはきついはず。誘拐身代金よりも彼を痛めつけることが目的なんだとわかってしまう。 2人の運び人が瀕死状態・・・見かねて運び役を替わった刑事。しかし、まんまと3億円は奪われてしまうのだ。永瀬もそうだが、渡哲也のアパートに住みついた元売人の酒井美紀の演技が下手なので、どうも感情移入できない。ところが、26年前の公害訴訟の事件にたどりついてからは一転、被害者の視点で見てしまった。 「人は嘘をつくものだ」という言葉によって、渡が事件に関与していると想像でき、彼が胃がんに罹ったことで真相に近づいていく。プロットは見事!最初の受け渡しシークエンスがヘリやマスコミなどの壮大なロケだったのに尻すぼみ状態になっていく様子も気になっていたが、一気に満足。『犯人に告ぐ』でも劇場型を描いていたけど、こちらはオリジナル脚本。『相棒劇場版』にも通ずるプロットだったように思う。 1997年日本アカデミー賞撮影賞、照明賞、編集賞 同9部門ノミネート (2008.7)
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勇気ある追跡 | 1969 アメリカ Par TRUE GRIT |
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ストーリー | 牧場主の父親を殺された少女マティは連邦保安官コグバーン(ウェイン)に依頼し犯人の追跡をはじめる・・・ | |||
監督 | ヘンリー・ハサウェイ | |||
出演 | ジョン・ウェイン | キム・ダービー | グレン・キャンベル | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★★ |
コメント | 父親が使用人のトム・チェニーに撃たれて、少女マティ(ダービー)は葬儀屋で確認。そのとき絞首刑の現実を見る。すでに犯人を捕まえてやるという意識の表れだろうか、悲壮感もなかった。それよりも父の残した商談を片付けやるとか、たくましすぎる。まぁ、生意気であっても、人知れず泣いてたところは可愛いが・・・ チェニーを追ってる男はもう一人いた。テキサスで議員を殺したため生捕にするというレンジャーのラブーフ(キャンベル)だ。コグバーンと比べてもいい感じだけど、マティの主張には反してテキサスで死刑にすることに拘ってた。コグバーンはというと、左目には黒の眼帯。しかも飲んだくれで、すぐに犯人を殺してしまう奴・・・ 3人の旅もなかなか面白いし、悪党ネッド(ロバート・デュヴァル)もよかった。辿り着いた小屋には悪党の仲間がいたけど、一方がデニス・ホッパー。保安官との取引とか、結構細かいところまで描いているのでわかりやすい。 チェニーを偶然見つけたけど、結局マティが撃っちゃった。ラブーフはちょっと可哀想。悪党どもがインディアン地区に潜り込んだということで心配したけど、差別的なところがなかった。珍しくジョン・ウェインの映画でも面白かった。 1969年アカデミー賞主演男優賞 同歌曲賞ノミネート 1969年ゴールデン・グローブ賞男優賞 他 (2008.2)
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友情 Friendship | 1998 日本 東映 |
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ストーリー | 北海道から東京に転校してきた14歳のあゆみ。白血病と言われ、ドナーを待つばかり。 | |||
監督 | 和泉聖治 | |||
出演 | 三船美佳 | 柳場敏郎 | 平田満 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★ |
コメント | 抗がん剤の副作用で髪の毛が抜け落ちた少女を励ますために、クラスメート全員でスキンヘッドになったという実話をもとにした映画。 東京に来るまでは白血病とは知らされてなかったあゆみ(三船)。知らさなかったことを責められうろたえる母親(田中好子)と、何もできなかったことを悔やむ父親(平田)。高校受験という大切な時期を担任する教師には柳場敏郎だ。皮肉なことにもドナー登録をした母親がある患者に適合したために、病気のことが娘にバレてしまったのだ・・・ 夏休み前に入院、生徒たちも心配するけど、不良っぽい森山が先生を急かして、クラスで伝えることとなった。そして先生が提案した下田への合宿。塾の夏期講習返上する生徒もいたりして、意外にも全員参加。そこでクリクリ坊主の男の子を見て森山が咄嗟に思いついた全員坊主!映画中盤で早くも号泣・・・女の子も全員というところが凄いところだ。 夏休み明けにあゆみは死んでしまうけど、これほどまでにクラスメートの友情を感じよい思い出とともに安らかに眠ってしまったこと。生徒たちも一生の思い出となるんだと思うと、彼らがうらやましく思えてくる。あぁ、でも似たような経験があるなぁ・・・ 1998年日本アカデミー賞新人俳優賞 (2007.12)
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夕凪の街 桜の国 | 2007 日本 アートポート |
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ストーリー | 昭和33年、広島。母と二人暮らしの平野皆実は同僚の青年打越から愛の告白を受けるが「そっちの世界にいっちゃいけん」という言葉が聞え拒絶してしまう・・・平成19年、姪にあたる石川七波は父旭の行動に疑問を持ち尾行するが、行き先は父の故郷である広島だった・・・ | |||
監督 | 佐々部清 原作:こうの史代 | |||
出演 | 田中麗奈 | 麻生久美子 | 中越典子 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ |
コメント | 閣僚による「原爆投下しょうがない」発言が世間を賑わせた今夏。さらに原爆症認定問題もクローズアップされているなか、素晴らしい映画が登場したように思う。 それでも、避け続けていた被爆者団体との面会を急いだのは、内閣支持率低下を食い止めようとしただけなのが情けないところだ。科学的に因果関係を解明できてないという口実は、裏を返せばそれだけ核兵器には未知なる影響力が存在することを示しているのだし、逃げ口上そのものが核容認の本音をも感じさせてしまう。 被爆者の苦悩は物理的な苦痛だけではなく、伝染するというデマによって起こる差別も大きいことは、先日観た『ヒロシマナガサキ』でも明らかにされていました。その差別があるがために、自身が被爆者であることを言えない立場にしたり、自殺してしまう者も多かった。周りの人が皆死んでいるのに自分だけが幸せになることができない、死んだ人に申し訳ない・・・などと生き残った者の苦悩。『ヒロシマナガサキ』でも被爆者のそうした本音を知ることができたし、映画『父と暮らせば』でも心打たれたものだった。 原爆による直接被害を描いた作品は数多くあれど、生き残った被爆者をテーマにした映画はまだまだ少ないように思う。戦後生まれの日本人が人口の75%を超えた現在、原爆が投下された日も知らない若者がいることも嘆かわしい事実なのですが、原爆症認定率の低下にも驚かされるのです。長年の苦痛に耐え、被爆したことをも隠していた人が、症状が悪化してやっとの思いで申請したら却下されるのである。 映画はそうした政府や行政に対する怒りをぶつけるような内容ではなく、静かに叙情的に被爆者の心を描いたもの。ただ、前半「夕凪の街」では、「誰かに死ねばいいと思われた」とか「やった!また一人殺せた」などといった、今までにない戦争や原爆そのものを憎む直情的な言葉も登場するので、そのシーンでは心が痛む。また、原作漫画にはなかった防火用水への合掌や、悲惨な様子を描いた絵によって『ヒロシマナガサキ』をも思い出して涙を禁じえることができなかった。 二部構成となっている後半「桜の国」では、安らかに眠る死者への鎮魂の想いを感じさせられるのですが、現代に生きる被爆二世の差別や、生きていくことの力強さがじんわりと響いてくるのです。薄幸の女性を演じた麻生久美子とボーイッシュで現代っ子的な田中麗奈の対比もさることながら、ケロイドの傷痕を曝け出しても誰も口にしない銭湯の様子とピチピチお肌が眩いくらいのラブホのバスルームのシーンが絶妙なコントラストとなっていました。さらに、伯母の死や父が敢えて選択した被爆者との結婚を見て、七波が生まれてくる決意をしたという、世代を越えてもしっかりと融合する脚本もよかったです。 (2007.8)
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