ゆりかごを揺らす手 | 1991 アメリカ ハリウッド・ピクチャーズ=WB THE HAND THAT ROCKS THE CRADLE |
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ストーリー | 産婦人科のモット医師はセクハラ疑惑で告訴され、自殺に追い込まれた。告訴のきっかけとなったクレアの家庭にモット未亡人がベビーシッターとして乗り込んだ。 | |||
監督 | カーティス・ハンソン | |||
出演 | アナベラ・シオラ | レベッカ・デモーネイ | マット・マッコイ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | かなり怖いサイコ・サスペンス。いきなり一家に復讐するのではなく、最初は些細なことから始める手口には恐れ入った。完全な計画性を持った犯罪ではなく徐々に復讐欲に駆り立てられていく過程の描写が優れているのであろう。 ソロモンの役どころにも一工夫欲しかった。あれではラストに助けに現われる心理描写が不完全すぎますね。以前観たときにはもっとミステリアスな印象があったのだが・・・ (2004.1)
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ユリシーズの瞳 | 1995 フランス/イタリア/ギリシア フランス映画社 TO VLEMMA TOU ODYSSEA |
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ストーリー | 故郷に帰ってきたアメリカの映画監督は、マナキス兄弟による3巻の未現像フィルムがあることを知る。彼はフィルムを求めてアルバニア、ルーマニア、サラエボを旅する・・・ | |||
監督 | テオ・アンゲロプロス | |||
出演 | ハーヴェイ・カイテル | マヤ・モルゲンステルン | エルランド・ヨセフソン | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | 35年間の不在のため、動乱のバルカン半島の回想。1905年、1954年とキーになる年号。アルバニアへ向かい、映画博物館の女性と知り合い、やがてパスポート不備のため拘束されるAだが、そこでアナキスが処刑されるシーンを同時体験する。 ルーマニアへ入国した後は、母に会い家族のパーティへ。1945、1948、1950年と、人民委員会に逮捕され、ピアノを没収されるほど国内の情勢は悪化。アンゲロプロス独特の回想描写によって主人公のノスタルジーと悲運の家族が動き回る。 巨大なレーニン像が解体され、輸送船で運ばれる光景はかなり印象的。ルーマニアの体制崩壊を象徴させているのだけれど、哀愁を感じる以外、重要な意味はない。 やがて、アナキス兄弟のフィルムを持っていた人物に会えるが、3巻だけは古く現像液が作れなかったためサラエボにいる同僚に渡した後だった・・・そして戦地サラエボ。合唱団の透き通った歌声を楽しんだあと、戦争に巻きこまれ、人を失う悲しさがカイテルの慟哭によって伝わってくる。3時間に及ぶ構成は1人4役をこなす女優が、監督Aの人生に影響を与えた女性のように感じ、喪失と憧憬が交差する。壮大な叙事詩といえば聞こえがいいけど、女性との関係が浅いので、短い回顧録のような気がしてならない。 1995年カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ、国際映画批評家連盟賞 (2005.9)
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ユリョン | 1999 韓国 日活 PHANTOM THE SUBMARINE |
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ストーリー | 韓米演習中に艦長を殺害して死刑になったイ・チャンソク。死んだはずなのに目覚めると、431と呼ばれ、ロシアから密輸した原子力潜水艦“幽霊(ユリョン)”に乗船させられる。国内機密第一級の核戦略はに本会に向けられた。 | |||
監督 | ミン・ビョンチョン | |||
出演 | チェ・ミンス | チョン・ウソン | ソル・ギョング | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★ | ★ | ★★ | ★★ | ★ |
コメント | 『シルミド』では北朝鮮をターゲットにしていたが、ちょっと前までは日本も敵国。ついに日本軍潜水艦を撃沈だ。時代設定も1999年と現実感を与えそうな内容だが、沖縄で原潜を作っているという理由では弱い。国際法も無視だし、自衛隊の性格だって把握していない。まぁ、一人の軍人が狂気の沙汰でクーデターを起こしているととらえればいいのでしょうけど・・・ ミサイル爆破のシーンもショボいし、全体的に単なる密室劇の感がある。すごいシーンだと思ったのは981が胃の中の鍵を取り出されるところと、鯨と併泳しているところだった。 こういう映画を観ると、韓国は好戦的な戦争映画が好きだということがわかる。純愛ものに騙されて、反核や平和を愛する心が欠如しているのかもしれない。日本の過去の罪を暴くような内容の方が気持ちがいいのにね。。。202によるクーデター止めるヒーローの話かと思えば、「まだ準備できていないから戦争を始めるな」みたいな台詞だった。韓国人の深層心理を知るためには勉強になる映画かもしれない。 韓国のアカデミー賞にあたる“大鐘賞”を6部門も受賞したらしい。 (2005.2)
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許されざる者 | 1959 アメリカ UA THE UNFORGIVEN |
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ストーリー | テキサスで順調に成功していたベンを長男とするザカリー一家。妹レイチェルの出生の秘密をネタに先住民族カイオワ族のケルシーに追いまわされる。 | |||
監督 | ジョン・ヒューストン | |||
出演 | バート・ランカスター | オードリー・ヘプバーン | オーディ・マーフィ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★ | ★★★ | ★★ | ★★★ | ★★ |
コメント | 「ザカリー家は滅びる!」とサーベル男が叫ぶシーンではゴシックホラーの雰囲気さえ漂ってますね。設定もオードリー扮するレイチェルの秘密めいたもので、ミステリアスな部分もあり楽しめるが、殺伐としたカイオワ族と白人開拓民との間での殺戮・略奪の悲運な物語のため、暗さがつきまとう。 広大な西部でピアノを弾くという大胆な発想は面白いし、オードリーが出演する唯一の西部劇という点でも特徴ある映画には間違いない。しかし、自分の出生の真実を知ったオードリーなのに同じ部族の人間を撃つかねぇ。。。。 (2004.6)
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許されざる者 | 1992 アメリカ WB UNFORGIVEN |
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ストーリー | 1881年、妻が死に悪事からは遠ざかっていたウィル・マニーのもとへ若きガンマン、キッドが訪れた。娼館での切り裂き犯を殺すために相棒を探していたようだ。ウィルは昔の仲間ネッドとキッドに会い、賞金稼ぎを決意する。 | |||
監督 | クリント・イーストウッド | |||
出演 | クリント・イーストウッド | ジーン・ハックマン | モーガン・フリーマン | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★ | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | “DUKE”と”DUCK”をしつこいほど間違えるハックマン。下ネタを含め、笑いの箇所もしっかり押さえて、男臭い対立関係を見事に描ききった正統派西部劇。 早撃ちが話題の中心となるリトルビル保安官とイングリッシュ・ボブ(リチャード・ハリス)との対立構図、しかも静かに男たちの心理描写を主にまとめ、ウィルと昔の相棒ネッド(フリーマン)、そして若者キッドの3人を何人殺したとか近眼かどうかという台詞で別軸の構図で対比する。切り裂き犯を片付けていくが、ネッドは腕がにぶってきたのを理由に一人帰るが、保安官たちに殺されてしまう。その後は友人の復讐劇となるのだが、やみくもに人を殺す西部劇ではなく、人の命の尊さをも感じさせる内容となっていた。赤い夕陽に虚しさだけが残るエンディングは心に残る・・・ 1992年アカデミー賞作品賞、助演男優賞(ハックマン)、監督賞、編集賞 同主演男優賞、脚本賞、撮影賞、美術監督賞、美術装置賞、録音賞ノミネート 1992年ゴールデングローブ賞助演男優賞、監督賞 その他いっぱい (2005.2)
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ゆれる | 2006 日本 シネカノン |
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ストーリー | 東京でカメラマンとして成功し、自由奔放に生きている猛(オダギリ)が母親の一周忌に故郷山梨に帰る。父とは折り合いが悪かったが、兄稔(香川)は稼業のGSを継いでうまくやっていた。そのGSで働いていた幼なじみの智恵子と関係を持った猛だが、次の日三人で近くの渓谷へ遊びに行き、智恵子がつり橋から落下し死亡する・・・ | |||
監督 | 西川美和 | |||
出演 | オダギリジョー | 香川照之 | 伊武雅刀 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★ | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | てくてくと歩いて帰る足取りも軽くなったが、キム検事のしてやったり顔を思い出して目の前が揺れていた。 すごい!兄弟の心理描写。タイトル「ゆれる」の通り、吊り橋も揺れたのかもしれないけど、オダギリジョーと香川照之のゆれる思いが見事。まるでスクリーンから客席の間の空気に心が浮かんでいるような雰囲気に包まれていました。だけど、深層心理というか彼らの真実がどこにあるのかと、掴もうとすると逃げていってしまうような・・・だけど、兄思い、弟思いという両者の熱きものが胸に突き刺さってくるような・・・絶望と希望も紙一重なんだと最後にはわかり、人を信ずることの大切さも改めて教えてくれました。 序盤から、何気ないショットだけど凝ったカメラアングルがポイントを押さえ、事件の中心となる吊り橋現場での葛藤、目撃、濁流と緊迫感を生み出す編集効果が目に焼きついてしまう。空白となった智恵子落下シーンは最後まで彼らの記憶に閉じ込めてしまうのです。「あの瞬間、実際には何が起こったんだ」と観客をストーリーにのめり込ませ、オダギリジョーと真木よう子の関係を香川照之がどう感じているのかと疑問を投げかけてくる。裁判が始まるまでの一連の流れにどっぷりとハマると、もう西川美和監督の術中に陥ってしまう仕組みとなっていました・・・ 「吊り橋」と「ゆれる」という言葉が映画の中でも様々なことを象徴していましたが、あまりにも揺れすぎたため若干の謎も残してしまいます。問題となった現場は猛にはどんな風に写っていたのか・・・彼がカメラマンということもあって、見た目そのままと思われがちですが、現像し終わってからはその写真を見た印象が人によって違うもの。兄が真木よう子との関係を気づいていたと理解した瞬間から、弟のゆれていた記憶が「兄が突き落とした」と確証に至ったのではないでしょうか。 それにしても香川照之の演技は上手すぎる。弟への猜疑心を胸に秘めながら、殺人者としての今後のことを真剣に悩む。清廉潔白であることよりも罪滅ぼしのために投獄されることを望むといった自暴自棄の精神状態。面会中、弟を「人を信じない奴」と突き放す言葉だって、自ら弟とは絶縁状態にしてもいいと罪滅ぼしの一環だったのかもしれない。そして、法廷での弱々しい彼の演技はそうそう真似できるものではないのでしょうね。 形見分けとか遺産相続についてもサイドストーリーがあるような気がしてならないのですが、父・勇(伊武雅刀)と伯父(蟹江敬三)との会話で「兄さんだけいい思いをして・・・」という勇の言葉にあるように、大学は出してもらって弁護士となった兄とGSという稼業を継いだ弟がその息子たちに違った道を選ばせたという比較が面白そうです。ちなみに香川照之が東大出身ということも・・・ (2006.10)
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