甘い泥 | 2006 イスラエル/日本 劇場未公開 NHKBSにて SWEET MUD |
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ストーリー | イスラエル南部の共同体“キブツ”で生活する13歳の少年ドビルは兄と母親と暮らしていた。ある日、彼の可愛がってた犬が殺されるという事件がおき、母親ミリの怒りはおさまらなくなる・・・ | |||
監督 | ドュロー・シャウル | |||
出演 | ロニート・ユドケヴィッチ | トメル・シュタインホフ | アンリ・ガルサン | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | キブツとは社会主義的共同体のこと。子供たちは寝食をともにし、社会に出るまでずっと一緒に過ごすようだ。そんなキブツ。ドビルの母親ミルの恋人がスイスからやってくる。異教徒の外国人には冷たいキブツの人々。会議を開いて、2週間の滞在が許可された。しかし、若い男を予想してたドビルは、じいさんだったことにガッカリしてしまう。 アイスクリームを盗みに入ったときのこと。兄の台詞を真似て入ったときは笑えるのに、いきなり悲惨な展開。彼のスマイリーという犬は、メス犬を妊娠させたとして嫌われていたし、母親の恋人ステファンがスイスの柔道チャンプということでひと悶着あったばかり。彼は去っていったが、別れてしまったわけではないようだった・・・ミリは夫が自殺(?)して以来、キブツの人たちとも折り合いが悪く、精神を病んでいた。 性教育的なエピソードや、キブツの雰囲気など、初めて目にするようなことばかり。文化的背景がわからないので、キブツを批判的に描いてるのかもよくわからないくらいだ。フランス語ができるガールフレンドとドビルはミリになりすましてステファンと手紙のやりとりをして、航空券を送ってもらった。3人でキブツから逃げ出すこと。しかし、ミリは入院させられるのですが、一緒に行こうと思えば行けたはず・・・この最後がよくわからない。 無邪気にもスイスへ行く少年少女。景色は美しいけど・・・ 2007年ベルリン国際映画祭クリスタル・ベアー賞 2006年サンダンス映画祭審査委員賞 (2007.10)
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甘く、殺伐とした恋人 | 2005 韓国 エスピーオー SWEET BIZARRE LOVER MY SCARY GIRL |
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ストーリー | 恋愛経験のない30代大学講師のファン・テウは近所に引っ越してきたミナをデートに誘う。 | |||
監督 | ソン・ジェゴン | |||
出演 | パク・ヨンウ | チェ・ガンヒ | チョ・ウンジ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | 血液型性格診断を信じているのは日本と韓国だけだ! 30過ぎても恋愛経験ナシの大学講師ファン・テウ(パク・ヨンウ)。旅行会社に勤めている親友は恋愛を謳歌しているというのに、彼は理想の女性に出会うまでは全くその気がない(と言っても、本音は違うハズ)。そんな彼の住むマンションに知的な美女ミナ(チェ・ガンヒ)が引っ越してきて、親友にそそのかされてデートに誘うのです・・・冷やかし気味だったのに、なぜか誘いに乗るミナ。最初は、会話も弾まずつまらなそうだった彼女も、テウの純粋さに惹かれていくのです。 美術を専攻し、留学するためにイタリア語教室に通うミナ。知的さは申し分ないし、まさしくテウの理想に適う女性。一旦火が点くと積極的で、かなり積極的。なんといっても濃厚なキスはテウをメロメロにさせるのです・・・これがまたかなりエロチック。ベッドシーンはないものの、エロ度も凄い。元カレの登場など、ちょっとした葛藤もあるけど、恋心が燃え上がったテウにとってはもう彼女しか見えてない・・・恋は盲目を素でいっているのだ。 最初から笑いっぱなし。『猟奇的な彼女』以上に猟奇的な彼女。ところが、普通のラブコメなんだろうと軽く構えていると、彼女のとんでもない素顔が現れてくるのです・・・。ヤクザっぽい元カレが押しかけてきたのに、「話はついた」ことになって元カレは消えてしまう。実は、彼女が殺してしまったのだ。こうして、中盤からはかなりブラックな世界へと突入する。まるでコーエン兄弟の映画のように・・・。 同居人の女性もワルだったけど、最初に登場した弁護士も相当なワル。遺産相続のために結婚した過去もあるため、分け前をもらうため食いつく寄生虫のような存在なのかもしれない。ミナとしてはイタリアへと高飛びするまでの協力者のつもりだったが、ひょんなことから第二の(?)殺人へと発展する。 彼女が人を殺したことに気づいたテウは「1人くらいなら・・・」と、それでも彼女を愛し続けようとしたのだが、1人じゃなかったことに愕然とする。どこまで続くかテウの純愛!一緒に海外逃亡する選択肢だってあるんだと考えながらも、生真面目な性格がそれを許さない。なぜだか、テウに感情移入してしまい、連続殺人犯とイタリアで過ごす想像までしてみたりする。一生働かなくてもいいくらいの金は手に入れたはずだし・・・と。 さすがに身の毛がよだつといったエンディングでなかったところが韓流映画なのでしょうか。どちらかといえば、明るいラブコメ風エンディング。でも、そこで選択肢を誤ったら、やはりコーエン風になってしまう。とにかく、今までにない雰囲気の映画でした。 (2007.10)
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アマデウス | 1984 アメリカ 松竹富士 AMADEUS |
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ストーリー | 宮廷音楽家アントニオ・サリエリの回想によってモーツァルトの死の謎をミステリアスに、豪華絢爛に描く。 | |||
監督 | ミロス・フォアマン | |||
出演 | F・マーレイ・エイブラハム | トム・ハルス | エリザベス・ベリッジ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ |
コメント | 「モーツァルトを殺した」と叫びながら自室で自殺を図るサリエリのシーンから始まった。単純な伝記のスタイルを無視した構成に思わずのめり込む一瞬だ。神父への懺悔で始まる。 イタリア人のサリエリ。天才音楽家のモーツァルトにやっと会えたけど、奇妙な性癖を持った彼には徐々に妬みと反発があった。歌姫を使われたことに対する嫉妬もあり、皇帝の意見にも追随するサリエリ。徐々に憎しみの炎も燃やし始める。皇帝の妹がマリー・アントワネットであり、幼きモーツァルトが彼女に求婚したというエピソードはあまりにも有名だ。 生活に困ったモーツァルト夫人が彼の家庭教師の職を得るため楽譜を持ってきた。それを見たサリエリは驚愕。下書きなど無いのに書き直しの無い完璧な譜面。その後様々の場面でサリエリはモーツァルトの天才を認めないわけにはいかなくなり、徐々に彼を潰してしまいたい欲求にかられてしまう。 それでも二人とも音楽家。相手を尊重する態度は立派だ。モーツァルトの父親が死んでからの暗いオペラにも圧倒され、死神のような使者を遣わせてレクイエムも書かせる。この事実がモーツァルトを死に至らしめたとは思えないけど、映画としては最高に震えがくるような場面だ。死の直前、病床にいても最後の曲をあきらめきれず、サリエリに代筆させるところは楽天的な音楽家と嫉妬心溢れる音楽家がともに芸術を高めていくような神々しさをも感じられる。 世の凡庸なる人々。神は天才を殺してしまうが、平凡な人間は生き地獄を味わわなければならないというのも真理をついているかもしれない。 1984年アカデミー賞作品賞、主演男優賞(エイブラハム、ハルス)、監督賞、脚色賞、美術監督・装置賞、衣装デザイン賞、メイクアップ賞、音響賞 同撮影賞、編集賞ノミネート その他いっぱい (2006.12)
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海女の戦慄 | 1957 日本 新東宝 |
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ストーリー | 東京へ行ったヨシ(前田)の妹チエ(三ツ矢)が五日経っても帰ってこない。いかり亭に三人の怪しげな男がやってきた翌日、チエと一緒にいったユキの溺死体が発見される・・・ | |||
監督 | 志村敏夫 | |||
出演 | 前田通子 | 三ツ矢歌子 | 天城竜太郎 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★ | ★★ | ★★★ | ★★ | ★★ |
コメント | 海女なんだから溺れるはずがない。しかも水着をきていたユキ(万里昌子)。怪しげな男は金持ち風の二人とチンピラ風が一人。町の人のたまり場“いかり亭”に風来坊を自称するマドロス男・俊介(天城)がやってくる。つまらない内容なのに、酒場兼ホテルのいかり亭の内部セットが凄い。吹き抜けの大きなホールは『キル・ビル』を思い出すくらい。 悪者たちは沈没した船の中から金庫を盗もうと海女たちを利用しようとしていた。終戦の年、市民から接収した貴金属を積んだ海軍の船。軍関係から秘密を聞き悪事を思いついたらしい。丁寧な説明してくれる元戦犯。巣鴨から出所するまで悪人が待っていたなんてのも面白い設定だ。 全編通してヨシのおっぱいが強調された映像ばかり。当時としては乳首を出すことができないのでギリギリのところをよく頑張っていると思う。でも、そんなに綺麗な人じゃないんですよね。妹役の三ツ矢歌子をもっと見たかったところだ。そして、この映画の弱点がヒーローぽい扱いの天城竜太郎!歌舞伎か時代劇俳優を思わせる化粧の濃さは海の男に似つかわしくない。刑事かと思ってたら、海上保安庁の方だったのね・・・よーわからん。 (2008.12)
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雨に唄えば | 1952 アメリカ MGM SINGIN' IN THE RAIN |
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ストーリー | スタントマンとして活躍していたドン・ロックウッドはパートナー、リナ(ジーン・ヘイゲン)との共演でスターダムにのし上がった。 | |||
監督 | ジーン・ケリー スタンリー・ドーネン | |||
出演 | ジーン・ケリー | デビー・レイノルズ | ドナルド・オコナー | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★★ | ★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ |
コメント | スタントマンとして活躍していたドン(ケリー)。実際は宣伝用に婚約者と言われていただけにすぎなかったが、ファンから逃れて飛び乗った車の運転手キャシー(レイノルズ)に俳優業をバカにされた。舞台女優をやっていた彼女に会った直後に、トーキー映画の存在に驚く。その披露ぱーてぃのケーキから飛び出したキャシーに親友のコズモと一緒に次世代のスターに担ぎ出そうとする・・・ メイク・ラフ、グッド・モーニング等々、雨に唄えば以外にもいい曲がいっぱい。「闘う騎士」を「踊る騎士」に変えることになったが、リナの代わりにキャシーの声での吹替えを思いつくシーンのドナルド・オコナーの口パクがむちゃ笑える。その他笑えるシーンが多すぎ。それにしても、レビューで散々だったのに、6週間後に間に合わせることを思いつくってのもさすがハリウッドだなぁ。 1920年代のトーキー映画に変貌をとげる映画界も苦労が絶えなかったのだろうと想像できる面白い内容。冒頭のスタントシーンとか、ドナルド・オコナーのほうが凄い踊りを披露したことも賞賛に値する。ピアノも弾くし脚本も書くなんてマルチな芸人ぶりが凄かった。 いくらプレビューでもあんなに酷い映画を公開するのだろうかという疑問と、雨の中でのシーンで、ケリーが見知らぬ人に傘をあげるシーンが謎だ。 1952年アカデミー賞ミュージカル映画音楽賞 同助演女優賞(ジーン・ヘイゲン)ノミネート 1952年ゴールデングローブ賞男優賞(オコナー) その他 (2006.7)
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アメリカン・ギャングスター | 2007 アメリカ Uni=東宝東和 AMERICAN GANGSTER |
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ストーリー | 1968年、ニューヨーク。黒人ギャングのボス・バンピーが亡くなり、片腕だったフランク・ルーカスが跡を継ぐことになった。麻薬界は捜査官が回収したヘロインの純度を低くしてまた売るという汚職が横行していたが、彼は独自のルートを開拓し純度の高いモノを流通させた・・・ | |||
監督 | リドリー・スコット | |||
出演 | デンゼル・ワシントン | ラッセル・クロウ | キウェテル・イジョフォー | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | デンゼル・ワシントンとラッセル・クロウの2大スターがガチンコ対決! イメージとしては善玉と悪玉が逆のような2人と感じてましたが、ラッセル・クロウの方は悪玉コレステロールが溜まってきたのか、ちょっとブヨブヨ感が漂っていました。その鑑賞前のイメージのせいなのか、デンゼル・ワシントンの性格は悪人には似つかわしくないような・・・だけど、平気で人を殺しちゃったりします。 1968年のニューヨーク。黒人ギャングのボス・バンピーが亡くなり、運転手や集金係をやっていたフランク・ルーカス(デンゼル・ワシントン)が跡目を継ぐ。このバンピーはスラム街でも人気ある存在であり、スーパー、マクドナルド、ディスカウントショップが従来の商店にとって代わる様を嘆くところも人間味あふれるところです。折しもベトナム帰還兵の間で麻薬が蔓延していたこともあって、麻薬ルートを牛耳ることも必要悪なのか・・・考えさせられます。 頭のいいフランクはそのベトナムに目を付け、純度の高いヘロインを密輸します。当時の麻薬捜査官は腐りきっていて、売人から押収したドラッグに混ぜものをして、粗悪品を売るという汚職がまかり通っていたのです。そうした警察の汚職を憎み、自らは押収した100万ドルの現金をネコババすることもなく持ち帰ったりする清廉潔癖な刑事リッチー(ラッセル・クロウ)が登場。2人のドラマが絡み合うことなく同時に展開していくドラマです。 兄弟・いとこがとても多いフランクは家族親族を大切にする男。そして、筋の通らない悪人を冷酷に殺す男でもある。一方のリッチーは公務では正義を貫き麻薬ルート解明に奮闘するものの、私生活ではだらしないところもある(性技を貫いてた?)のですが、アメリカの司法試験を目指すところなど、なかなか面白い男。この2人がなかなか直接対峙しないことも飽きることないし、とてもスリリング。 クライマックス。教会前のにらみ合いは映画史に残るかもしれないほどしびれるシーンだ。やっぱりカッコいいな〜などとホレボレしつつ、その後の裁判の事前聴取には爽快感をたっぷりと味わえました。テロップをじっくり読むとにやりとしてしまうかも・・・『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』で感じたものと似てるかな。 (2008.2)
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アメリカン・パイ3:ウェディング大作戦 | 2003 アメリカ 劇場未公開 AMERICAN PIE: THE WEDDING |
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ストーリー | ミッシェルとの結婚を決意したジム。結婚式に招待されない悪友のステイフラーはバチェラーパーティを企画するが、新婦の友人とやることしか考えてない。 | |||
監督 | ジェシー・ディラン | |||
出演 | ジェイソン・ビッグス | ショーン・ウィリアム・スコット | アリソン・ハニガン | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | レストランでプロポーズしようとしていたジム(ビッグス)。何を勘違いしたのかミッシェルはテーブルの下に隠れてフェラを・・・ ジムに内緒で企画したバチェラーパーティ。ステイフラーたちは二人の変態美女を呼んで乱痴気騒ぎだったが、そこへジムが・・・ミッシェルの両親を連れて・・・ 結婚式の前日、ステイフラーが犬の糞を食べてしまうシーンが最高に笑えた。それでもミッシェルの妹ケイデンスをフィンチと奪い合うことに勝った。が、本音バレて・・・ フィンチがステイフラーママとやっていたとかで、最後の最後にステイフラーはばあちゃんとやってしまうオチ。バラを集めて汚名挽回した後だけに不謹慎な笑いを生む。シリーズ全部見たくなってきた。 2004年MTVムービーアワード ダンスシーン賞 (2009.1)
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アメリカン・ビューティー | 1999 アメリカ UIP AMERICAN BEAUTY |
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ストーリー | 42歳のレスター・バーナム。 | |||
監督 | サム・メンデス | |||
出演 | ケヴィン・スペイシー | アネット・ベニング | ゾーラ・バーチ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★★ | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★★★ |
コメント | 娘ジェーン(バーチ)が父親を殺して欲しいと依頼するところから始まり、レスター(スペイシー)が「1年後に死ぬ」とナレーションを入れる。家族には人生の負け犬と思われていて、いきなりリストラの憂き目に・・・ チアガールをやってる娘のセクシーな友人アンジェラ(ミーナ・スヴァーリ)に一目惚れするレスター。娘を執拗にビデオに収める隣人のリッキー(ウェス・ベントリー)。妻は不動産ブローカーをする傍ら、不動産王のケリー(ピーター・ギャラガー)との不倫に励み、射撃の趣味を持つようになる。ジェーンはリッキーと親しくなるが、リッキーの父親(クリス・クーパー)は銃マニアでネオナチで偏屈なのだ。しかもかつてゲイであった自分を責め、息子にゲイ疑惑があると激怒する。そうでなくても盗撮、麻薬、陸軍学校の放校も気に入らない。 「筋肉がついたらレスターと寝たい」とアンジェラが言ったのを盗み聞きして、筋トレを始めたり、真っ赤なバラのCGによって彼女を妄想するシーンが印象的。ジェーンはベビーシッターで貯金して豊胸手術を受けるのが夢だった・・・が、かなりボインちゃんのソーラ・バーチ。 ハンバーガーショップで働くこととなったレスターは妻の不倫を目撃。いくら見せかけの夫婦でも慰謝料を取られるのはバカらしいと考える妻。娘はリッキーに父親を殺してと頼み、隣人フィッツはレスターとリッキーの関係を疑う・・・コミカルなようで深刻でもあり、崩壊しつつある典型的なアメリカの家族をシニカルに描いていた。 最後には「誰がレスターを殺すのか?」というサスペンスめいた展開と「この世は美しい」と死の直前に走馬灯のように過去を振り返る哲学的とも言えるエンディング。音楽も70年代のサウンド中心に楽しませてくれた。 1999年アカデミー賞作品賞、主演男優賞、監督賞、脚本賞、撮影賞 同主演女優賞、音楽賞、編集賞ノミネート 1999年ゴールデングローブ賞作品賞、監督賞、脚本賞 その他いっぱい (2007.3)
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アメリカン・ヒストリーX | 1998 アメリカ 日本ヘラルド映画 AMERICAN HISTORY X |
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ストーリー | 殺人を犯した兄デレク(ノートン)が出所したばかりの弟ダニー。「我が闘争」の感想文でヒトラーを崇拝しているような文を書いたために、校長が特別授業“アメリカン・ヒストリーX”をすることになった。 | |||
監督 | トニー・ケイ | |||
出演 | エドワード・ノートン | エドワード・ファーロング | ビヴァリー・ダンジェロ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
コメント | 父親を黒人に殺された経緯があるため、極端な人種差別主義となったデレク。「アメリカはヨーロッパの白人が繁栄させたんだ」といきまく姿がおぞましい。エドワード・ノートンがまた似合っているのだ。ハーケンクロイツの刺青、DOCというネオナチグループを結成していた。たまたま家の車を盗もうとした黒人を撃ち殺してしまったために刑務所行きとなったが、雰囲気からしても更正できるはずがない・・・と、そんなノートンだったのに出所後は人が変わったように改心していたのだ。そして、ネオナチの先鋒になっていたのが弟のダニー(ファーロング)。 憎しみ、怒り、全ての憤りの矛先を黒人、黄色人種、ユダヤ人に向けていたデレク。刑務所ではレイプもされるし、いいところはひとつもない。弟の面会には応じなかったが、母親や校長の面会は受け入れた。「家族を守ること」そして「怒らないこと」。 過去においては悪のヒーロー扱いもされていたようなデレク。DOCの会合ではいきなり脱退を申し出る・・・それにしても歓迎会でヘビメタのコンサートまで付いているとは・・・なんだかネオナチの象徴がヘビメタであるような気もしてくる。そういえばヘビメタバンドって、黒人がいないような気もする。 弟も「家族を守る」ことに納得して、兄の気持ちを受け止めるが、事態は抗争にまで発展しそうになり、弟が悲惨な結末を迎える。なんともやりきれない。死んでからも弟の「アメリカン・ヒストリーX」の宿題が続く・・・ 1998年アカデミー賞主演男優賞ノミネート (2006.11)
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