母のいる場所 | 2003 日本 パオ |
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ストーリー | フリーライターの久野泉(紺野)は父とともに7年間母の介護を続けてきた。有料老人ホームを取材し、母の入所を考え始める・・・ | |||
監督 | 槙坪夛鶴子 原作:久田恵 | |||
出演 | 紺野美沙子 | 馬淵晴子 | 小林桂樹 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★ | ★★ | ★★ | ★★★ | ★★ |
コメント | ちょっと贅沢な老人ホーム。志は立派だけど、なぜか空しい。 泉はシングルマザーで高校生の息子は不登校になっていたが、大検にも受かり自分の道を見出すまで成長した。やがて二人ともホームに入って母親の世話をする久野家。 能を経験していた両親。父(小林)は大企業を定年退職。泉の兄も順風満帆といった雰囲気だったし、介護しなければならないといっても幸せな家族。ヘルパーさんたちも明るく何の支障もない。 介護問題を考える入門編のような作りだけど、問題提起にはなっていない。幸せな家族の一人が大往生するだけとも思えるくらい。教育映画を作り続けてきた監督だけに、妙に政府から押しつけられた案内ビデオのようにすら感じるのだ。しかも富裕層向けの・・・介護がそんな楽しいはずがないじゃないか! しっかし、紺野美沙子は当時45歳とは思えないくらい若く、きれい・・・ (2008.12)
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母の眠り | 1998 アメリカ Uni=UIP ONE TRUE THING |
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ストーリー | NYでジャーナリストをしているエレン(ゼルウィガー)は母が病に伏したと聞いて突如帰省する。 | |||
監督 | カール・フランクリン | |||
出演 | メリル・ストリープ | レニー・ゼルウィガー | ウィリアム・ハート | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★★★ | ★★★ |
コメント | ストーリーとしては、癌に冒された母親を見守る家族の物語だけど、冒頭からエレンに対する尋問が時間軸の核を為し、直接の死因は何だったのかと疑問がわき起こる。 徐々に衰えていく母親役のメリル・ストリープのメイクがすごいし、ウィリアム・ハートだって年齢とともに老いがはっきりとわかる。勘違いや確執なんてのも病気によってすべて和解する家族の再生。抗がん剤投薬も効かなくなり、鎮痛剤、モルヒネの対症療法に切り替えていく様子がとてもリアル。苦しみから解放してあげたい父と娘の気持ち・・・結局、どちらがモルヒネ大量投与したのかわからなかったけど、このラストのように対話があってこそ家族が成り立つもの。しみじみと伝わってくる。 だけど、ドラマとしては感動できない・・・普通すぎて。父親が英文学教授なのに、エレンの弟が英文学を落としてしまったり、エレンが仕事を失ってしまうということをギャグにまでしてしまう家族の団らんは良かったなぁ〜 1998年アカデミー賞主演女優賞ノミネート 1998年ゴールデングローブ賞女優賞ノミネート (2008.1)
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ハーフ・ア・チャンス | 1998 フランス シネパリジャン 1 CHANCE SUR DE 2 |
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ストーリー | 車泥棒が職業のアリスは母の遺言によって父親の可能性がある二人の男性と合うことにした。二人に会った途端、マフィアと警察との争いに巻き込まれることに・・・ | |||
監督 | パトリス・ルコント | |||
出演 | アラン・ドロン | ジャン=ポール・ベルモンド | ヴァネッサ・パラディ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | アラン・ドロンとジャン=ポール・ベルモンドが『ボルサリーノ』以来28年ぶりの共演。そして車泥棒はジョニー・デップの子を産んだヴァネッサ・パラディである。 高級車をいっぱい所有している高級車ディーラーのベルモンド。対抗してヘリに乗せてくれるアラン・ドロン。二人との楽しいひとときを過ごした後、ふと盗み癖が働き、マフィアの車を盗んでしまったアリス。車をどんどん爆破させる恐ろしいロシアン・マフィアだ。だけどベルモンドもドロンも後ろ暗い過去が・・・ 突如かかる『ボルサリーノ』のテーマ曲。父親はどっちだ?などといった場面はかなりコミカルだけど、マフィアと対するときはかなり大がかりなアクション。二人の同窓会的な和やかな雰囲気も面白い。警官の汚職をもっと扱ってくれたら一級品になってたかも。 (2008.9)
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ハーヴェイ・ミルク | 1984 アメリカ パンドラ・カンパニー THE TIMES OF HARVEY MILK |
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ストーリー | 市長とともに暗殺されたハーヴェイ・ミルクの証言者によって綴ったドキュメンタリー | |||
監督 | ロバート・エプスタイン、リチャード・シュミーセン | |||
出演 | ハーヴェイ・ミルク | 政治顧問 | 教師など | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★ | ★★★ | ||
コメント | 1930年生まれのハーヴェイ・ミルク。海軍を経て証券マンとなった彼は60年代に入ると前衛的な芝居をも世話したが70年代にはベトナム反戦運動に参加。73年サンフランシスコ執政委員に当選し、市長マスコーニとともにゲイやマイノリティの差別撤回運動を繰り広げた。 本人もゲイであるが、なかなかカミングアウトできない世相を変えた男。初の執行委員という偉業もそうだが、保守派の反発も凄いものだったと想像できる。なにしろ遺言には「暗殺されたら・・・」という言葉から始まるのだ。 暗殺後はカミングアウトする人が逆に増えたりする現象もあったが、評決は誰も納得しないもの。一人の証言者に「市長だけを殺していたら終身刑だったかもしれないが、ゲイを殺しても社会のためになるだけ」という言葉があった。それほど同性愛に拓かれてない時代。民主主義とか銃社会の問題よりも人間の尊厳という問題がずしりとのしかかる。懲役も5年ですむのか・・・ううむ。 1984年アカデミー賞ドキュメンタリー長編賞 (2008.4)
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パーフェクト・ストレンジャー | 2007 アメリカ ディズニー PERFECT STRANGER |
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ストーリー | ||||
監督 | ジェームズ・フォーリー | |||
出演 | ハル・ベリー | ブルース・ウィリス | ジョヴァンニ・リビシ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★ | ★★ | ★★★ | ★★ |
コメント | ラジー賞女優とラジー賞男優、夢の共演! 「ラスト7分11秒まで、真犯人は絶対わからない」というキャッチコピー。この手の映画は推理せずに素直に騙されるのが一番です。一般的に評価の高い『ユージュアル・サスペクツ』なんて、推理した犯人が見事に当ってしまったため、面白さを味わえなかったという苦い経験があったからです。だから、配給会社にはこうした宣伝文句をやめてもらいたい・・・ ちょっと前の推理モノに比べると、携帯電話やインターネットを多用し、時代に即した設定になってはいます。ただし、ブルース・ウィリスが大手広告代理店のCEOを演じてはいるけど、その業界の雰囲気は伝わってこないのが残念。暇をみつけてエロチャットできるくらいの会社だし、魅力的な有能社員が出てこないのも事実。綺麗なおねーちゃんも多いし、モデル斡旋業の会社じゃないのかと思ってしまうくらいです。 主人公のハル・ベリーは政治家のセックススキャンダルを暴こうとしていた新聞記者。せっかくのネタを上からの圧力で握りつぶされてしまうという社会派要素をも感じさせるのですが、ネタがネタだし、一流新聞というよりタブロイド紙だったような気もします。そんなとき、幼馴染の女性が水死体で発見されるという事件が起こる。「金によって・・・」というキーワードとともに、観客をもミスリーディングするミステリーへと発展するわけです。 とにかく罠が多い。怪しそうな人物がいっぱい登場するし、ハル・ベリー自身が名前を4つも持ってるくらい、多くの名前で混乱させられる。また、彼女と元恋人と被害者の三角関係。そして同僚であるジョバンニ・リビシのハル・ベリーへの密かな想いや性癖など・・・次第に怪しい人物は絞られてくるし、どんでん返しを体験した後にも「ずるい」と思わせない程度の伏線は用意してあるようでした。しかし、その結果が騙されるという満足感を生むものかどうかは・・・観た人しかわからない。 (2007.9)
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ハプニング | 2008 アメリカ FOX THE HAPPENING |
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ストーリー | NYセントラルパークで人々が立ち尽くし、工事現場では作業員が次々と投身自殺・・・異常現象はアメリカ北東部を覆い尽くし、人々は西へと逃げる・・・ | |||
監督 | M・ナイト・シャマラン | |||
出演 | マーク・ウォールバーグ | ズーイー・デシャネル | ジョン・レグイザモ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★ |
コメント | シャマランを探せ! 『ブラックウォーター・トランジット』という映画は当初ブルース・ウィリスとサミュエル・L・ジャクソンが出演すると噂されていたのに、どうなっちゃったのでしょうか?この2人といえばシャマラン監督の『アンブレイカブル』で共演。かつての映画仲間にエールを送るつもりでマーク・ウォールバーグに歌わせたのか・・・唐突だったし、あまり意味もなさそうだけど、とにかくドゥービー・ブラザーズの「ブラックウォーター」が聴けたことに満足。 シャマラン映画を公開初日に観るなんてことは、ある意味、マゾヒスティックな行為だと思う。『シックスセンス』でどんでん返しの面白さを堪能した人は、その後の監督作品に過大な期待をかけ、何度となく裏切られても彼の奇跡を信じているのだ。しかも今回は前夜祭である。夜中であるにも関わらず、「今度こそは楽しませてくれよ」と顔に書いてあるファンが集まっていたようです。 最近のシャマラン作品の特徴は見えざるモノに対する恐怖。それが宇宙人であったり、怪物であったりするわけだが、今作ではソレが最後までわからない。いや、わからないというより、創作するのを断念したようにも思えるほど丸投げっぷりだ。一応は植物が原因なのだろうと推測はできるものの、メディアや多くの人はテロリズムであると確信していたりするのです。これは9.11以降の一般的なアメリカ人の感情そのものを描いているのかもしれないし、人々の死に方が自殺ということから、厭世的で自虐的な深層心理の表れなのかもしれません。 また、環境破壊をテーマにしてると思わせたり、疑心暗鬼や人間不信といった醜い心を描いているようにもとれるのですが、単に観客を怖がらせたいというのが監督の本音なのでしょう(たしかにグロさは良かった)。それでも『サイン』や『レディ・イン・ザ・ウォーター』よりは、正体不明のまま終わらせることで“科学で説明のつかないことが起こりうる”と、ある種の警鐘を鳴らしていることは評価できる(のかもしれない)。と、ひいき目で見たところで、科学で説明できないものはシャマランにも説明できるはずがありません・・・ 今年は『クローバーフィールド』や『ミスト』といった良作があるために、同じ見えざるモノの恐怖というテーマでは太刀打ちできません。マーク・ウォールバーグは良かったけど、妻役のズーイー・デシャネルが何を考えてるのかさっぱりわからない。だいたい、ジョーイって浮気相手が何のためにいるのか不明のままなのです。まぁ、シャマランが声だけでも出演したかっただけの設定なんだろうけど・・・ (2008.7)
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パープル・バタフライ | 2003 中国/フランス アスミック・エース PURPLE BUTTERFLY 紫胡蝶 |
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ストーリー | 1928年、満州。父の仕事で満州で育った伊丹はシンシアという女性と恋に落ちるが、31年に召集され離れ離れになってしまう。1931年の上海。シンシアはディンホエと名前を変え、パープル・バタフライというレジスタンスの一員となっていた・・・ | |||
監督 | ロウ・イエ | |||
出演 | チャン・ツィイー | 仲村トオル | リィウ・イエ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★ | ★★★ | ★★★ | ★★ |
コメント | 1928年の映像。2人の恋愛部分は少なく、シンシア(ツィイー)の兄が抗日組織の印刷所で排日ビラを印刷していた、などの当時の情勢をうかがい知る程度のもの。伊丹が日本へ帰ってから、彼女の兄も日本人の右翼テロの犠牲となる・・・ あっという間に1931年の上海。日本が中国を侵略したという号外がばら撒かれている中、一組のカップルが、セリフも少なく、叙情的に描かれ、序盤のドラマとどうつながっているのかさっぱりわからないドラマが展開。その男スードゥーは組織の人間と間違われ、女は混乱の中で犠牲となるのだ。 伊丹は上海で軍の諜報機関に入り、パープル・バタフライはティン・ホエを彼と接触させる。そして愛がもつれる相互スパイ合戦。そこへよくわからないスードゥが絡んでくる・・・これがわかんない原因だ!伊丹の上司である山本暗殺がメインではあるけど、その他の部分がわからないまま進み、シンシアが組織のシエ・ミンと出来ていたという、ある意味どんでん返しのような終盤。暗いミステリーを全面に押し出したためか、心理描写がどの登場人物もよくない。結局は日本人への愛よりも中国人への愛が勝ったというところなのか・・・ 最後に1937年上海における日本軍の空爆、そして南京虐殺のドキュメント映像が流れるけど、どうせならこれを中心としたドラマにすればよかったのに・・・ 2003年カンヌ国際映画祭コンペ (2007.12)
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バベル | 2006 アメリカ ギャガ・コミュニケーションズ BABEL |
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ストーリー | モロッコで殺人未遂事件が起きた。犯人は遊び感覚で銃を撃った少年。その銃の元所有者が日本人。アメリカの被害者家族でもちょっとした事件がおきた・・・ | |||
監督 | アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ | |||
出演 | ブラット・ピット | ケイト・ブランシェット | ガエル・ガルシア・ベルナル | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★★ | ★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
コメント | パンツはいてください。 アカデミー賞授賞式以前に鑑賞できていたら、作品賞の予想することもなかったのかもしれません。脚本はよく練られていて物語にのめり込む巧さは感じられたのに、独立した3つのプロットそのものには魅力がないのです。その点、監督のデビュー作である『アモーレス・ペロス』では人やモノ、そして伏線が3つのドラマを有機的に結びつき、ストーリー展開にも驚かされたものだった。『21g』ではプロットが単純なためか、フィルムをバラバラにして切り貼りしたおかげで複雑すぎて感情移入もできない欠点もあった。逆に考えると、イニャリトゥ監督は元が単純なプロットを壮大なドラマに作り上げることのできる天才なのかもしれないのです。 この映画の予告編などで聞かれる“言葉が通じない・・・”というコピーが大変良い出来で、バベルの塔を作ろうとした人間が神の怒りに触れ、言葉も人種もバラバラにされてしまったという世界観に大いに期待してしまう。しかし、大きなテーマはさほど実を結ばず、“言葉の壁”よりも“心の壁”、または青少年の“性の壁”や市民と警察の間にあった“権力の壁”といったものまで感じ取れてしまう。特に、モロッコ、日本、アメリカにおける警察官の対応の違いが興味深く、この市民と警察との心の壁が最も強烈だったようにも思います。 カンヌ国際映画祭から始まってGG賞、アカデミー賞と映画賞レースも大いに賑わせてくれたコン作品でありますが、やはり俳優、映像、音楽が秀でてました。菊地凛子とアドリアナ・バラーザももちろん良かったのですが、一押しはモロッコの少年ユセフを演じたブブケ・アイト・エル・カイドです。姉の裸を覗き見し、オナニーシーンを経て兄とライフル銃を撃つシークエンスの演技は一流俳優の片鱗さえ見せてくれました。兄ちゃんが父ちゃんに告げ口するシーンも面白かったです。 最近、日本人が外国人女性を殺したり留学生が日本人を殺したり、アメリカでは韓国人留学生が銃乱射事件を起こしたり、他の国の者を傷つける事件が目立ちます。言葉の壁が心の壁をも作ってしまうことをリアルに感じる出来事ですが、それよりも根本的に、人々がお互いに殺し合う能力を授かったということも神が怒りのために人間に与えた罰なのであろうか・・・ 2006年アカデミー賞作曲賞 同作品賞、助演女優賞(菊池凛子、アドリアナ・バラーザ)、監督賞、脚本賞、編集賞ノミニ 2006年カンヌ国際映画祭監督賞 2006年ゴールデングローブ賞作品賞 その他いっぱい (2007.4)
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