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疑惑 1982 日本
松竹
ストーリー  富山県新湊湾埠頭に自動車が転落するという事故が起こる。造り酒屋の老舗社長の白河は死んでしまうが、後妻の球磨子が生き残った。多額の保険金がかけられていたことから、彼女が被疑者となり・・・
監督 野村芳太郎  原作・脚本:松本清張
出演 桃井かおり 岩下志麻 鹿賀丈史
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★ ★★ ★★★★ ★★★
コメント  被疑者及び弁護士と検察の争いではなく、被疑者・桃井かおりvs弁護士・岩下志麻との対決という構図の法廷心理劇だった。
 悪女が活躍していた時代。女が男を操ってなんぼの時代だったのだと思います。過去を引きずってどことなく陰があるが、ぶちきれる性格の桃井かおり。そして、演技は極妻と変わらないほど冷たい表情の岩下志麻。前科4犯というだけで犯人扱いされ、遺族、マスコミ、警察全てを敵に回しているので、顧問弁護士だって辞任してしまう始末。そんな中、国選弁護人として岩下志麻が接見する・・・
 ストーリーの構成も桃井かおりが白か黒かをはっきりさせるだけの単純なものであるのに、どこかに嘘がある被疑者や証人たち。神聖な法廷であるにも拘わらず、ふてぶてしい態度や野次や恫喝で証言を中断させたりする面白さ。拘置所で六法全書を読み漁って法律知識を身につけたはずなのに、腹が立つと見境がつかなくなる役は桃井のキャラにぴたりとはまっていました。
 テレビ放映されたときに見てるのに、スクリーンで改めて観ると地元のロケ地ばかりに目が行ってしまいました。中心は富山県ですが、石川県も千里浜、和倉の加賀屋(『ゼロの焦点』のときからは建て替えられて綺麗になっていた)、兼六園等々のロケがあったようで、舞台は富山と石川の往復が激しかったです。昨年の『8月のクリスマス』では高岡と金沢がまるでご近所のように扱われていましたが、この映画では富山・石川がとても近くのようでした。岩下志麻が事故を起こしそうになったのは南新保の交差点。空き缶は車の足元に置かないようにしなければいけません・・・一度怖い経験しましたよ・・・
 コミカルな部分もあるし、キャラクターのユニークさ、本当はどっちなんだ?と推理する面白さによって、『ゼロの焦点』のような北陸の暗さは全く感じられません。だけど、田舎ということを強調してたような・・・「富山は田舎じゃない!」という台詞が頭から離れません・・・
(2006.2)

疑惑の影 1942 アメリカ
Uni=セントラル
SHADOW OF A DOUBT
ストーリー  カリフォルニアのニュートン家に母の弟チャーリーがやってきた。娘のチャーリーは同じ名前の叔父が好きだった。
監督 アルフレッド・ヒッチコック
出演 テレサ・ライト ジョセフ・コットン マクドナルド・ケリー
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★ ★★★ ★★★★ ★★★
コメント  ヒッチコック作品の中でもかなり高評価の映画。しかし、プロットとしてはまだ彼らしさが表現されていないと思う。その中でも俳優陣が素晴らしい演技だ。ヤング・チャーリーのテレサ・ライトは叔父に好意を抱きながら徐々に殺人犯ではないかと疑い始める目つきの変化がゾクゾクさせてくれる。
 個人的評価が下がったのは刑事のジャックに対する恋愛感情がイマイチだからだ。中盤の心理変化がどうもしっくり来なかった。

1943年アカデミー賞原案賞(ゴードン・マクドネル)ノミネート
(2004.4)


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