草の乱 | 2004 日本 草の乱製作委員会 自主上映 |
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ストーリー | 1884年、秩父。農民たちは生糸価格の暴落、増税、高利貸しの違法な利子のために破産寸前。折りしも、自由民権運動が盛んになり、自由党の後ろ盾をも睨んで一斉蜂起を起こす。 | |||
監督 | 神山征二郎 | |||
出演 | 緒方直人 | 藤谷美紀 | 杉本哲太 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★★ |
コメント | 独立プロとしては異例の4億5千万の制作費(『ラストサムライ』の60分の1)!しかもこれは一般市民の出費であり、総勢8千人のエキストラが参加するという民衆のパワーが炸裂する感動大作となっている。ついつい同じ時代背景の『ラストサムライ』と比較してしまうのだが、こちらは嘘の世界じゃなく、史実に基づいた物語だ。そして主人公は農民!彼らの苦しみや悲しみがリアリティを伴って伝わってくるのです。 また、不況の現代と共通点も多く、当時の政府が朝鮮出兵のための軍事費拡大が引き起こす増税等の圧政、野放しにされた高利貸しの存在、一部の金持ちと政府との癒着など、まさに歴史は繰り返すということを感じるのである。違いと言えば、当時は民主主義が未熟な時代であり、現代は情報社会になっていることくらいだ。 クライマックスとなる農民たちの武装蜂起は、初日の高利貸し業者への直談判(これがさながら『忠臣蔵』の世界なのだ!)、徐々に賛同して一気に増えていく農民たちが圧巻です。そして独立プロであるのに豪華な出演陣。特に杉本哲太にしびれます(これほどかっこいい彼は初めて)。 見所は、蜂起に賛同して寄付してくれる人へもきちんと預り証を書く幹部たちの律儀さですな。。。。 (2004.5)
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草を刈る娘 | 1961 日本 日活 |
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ストーリー | 津軽地方。秋になると草刈隊がやってきて馬草を刈る。18歳になるモヨ子(吉永)はそで子婆さんに連れられてやってきた。そで子は毎年、結婚話をまとめるのが楽しみだったのだ。 | |||
監督 | 西河克己 原作:石坂洋次郎 | |||
出演 | 吉永小百合 | 浜田光夫 | 望月優子 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | 刈り入れ前の緑一面の田圃と山々。ワイド画面を存分に活かしてあるなと感じつつ、津軽弁がぜんぜんわからず、さらにNHK放映のため差別用語があちこちで削除されていて、会話にのめり込めない。草刈の行事は一種のお見合い行事。大人たちは賭けまでして若者たちの恋の成り行きを楽しんでいる。 時造(浜田)が高価なライターを落としたため、モヨ子も探すのを手伝う。清純な娘だと思ってたら、時造のクソを見たり、その臭いを追ったりして・・・いきなり襲いかかってきたら、さすがに拒んでた。そんなとき、東京に出ていた一郎(平田大三郎)が帰ってくる。ちょっとした三角関係もあったが、キスしようとした、腕に噛みついたというところから微笑ましい男女の騒動が面白かった。 そんなラブコメ風の雰囲気なのに、いきなりの殺人事件(殺されたのは村一番のがめつい独身女らしい)・・・なんなんだ、この展開。なんだか唐突すぎて引いてしまうぞ。 俳優はみんな訛り方が上手いし、特に駐在さんの益田喜頓のコメディアンぶりがいい! (2008.10)
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草ぶきの学校 | 1999 中国 日本ヘラルド映画 草房子 THATCHED MEMORIES |
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ストーリー | 1962年、湖近くの小さな農村で過ごすサンサンとこどもたち。学芸会の劇で主役の連隊長にサンサンともう一人の子が選ばれ、交互に演技することになった。 | |||
監督 | シュイ・コン | |||
出演 | ツァオ・タン | ウー・チンチン | トゥ・ユアン | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★ | ★★★ |
コメント | ツルツル頭のサン。目立つことが大好きなサンサン。こどもなのに個性が出ている。校長の息子だから特殊ではあるが性格は面白い。自叙伝的映画なのだろうか、サンサン中心に友情や男らしさとは何なのかを訴えるようでもあり、単に少年時代の思い出をノスタルジックに語っているだけのような気もする。ジーユエという可愛い女の子の生い立ちや金がないために学校をやめるといった貧困な背景が心の美しさを引き立ててくれます。父親におぶられて、「ずっと病気のままでいたかった」という台詞はいいなぁ・・・ 劇は先生の自作脚本のものだったが、反日思想が深く根付いているようでした。あっさり描いているから日本人でも問題ないです。 (2004.10)
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孔雀夫人 | 1936 アメリカ 劇場公開 DODSWORTH |
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ストーリー | ダズワース自動車社の権利を譲渡したサムは社長を引退して妻フランとヨーロッパへ船旅に出るが、妻はヨーロッパが気に入り居座ることになった。そして不倫の末・・・ | |||
監督 | ウィリアム・ワイラー | |||
出演 | ウォルター・ヒューストン | ルース・チャタートン | ポール・ルーカス | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★ | ★ | ★★★ | ★★★ | ★★ |
コメント | 今では珍しくもないストーリーなのだろうが、戦前のお話だ。しかもやっと離婚して再婚しようとする相手の母親に「子供ができない年増の嫁は要らない」と言われ・・・。とにかく、熟年離婚はみっともない。金持ちだから余計にそうなのかもしれないが、世の中のことをもっと勉強すべきだったのでしょう。古い映画なので、展開がいきなり過ぎて感情移入もくそもない。ストーリーを追うだけで精一杯になるし、しかもつまらない。エンディングだけはすごくインパクトがあるなぁ・・・「やり直そう」と言う妻を振り切って・・・自業自得とまでは思わないけど、慰謝料の問題はどうなるんだろう?とそればかり気になった。 1936年アカデミー賞美術賞 同作品賞、主演男優賞、助演女優賞、監督賞、脚色賞、録音賞ノミネート その他 (2004.12)
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郡上一揆 | 2000 日本 「郡上一揆」製作委員会 |
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ストーリー | 美濃の国、郡上で起きた農民一揆。郡上藩主金森頼錦は浪費を繰り返し、財政が圧迫。出来高によって年貢を変えるという険見取りは農民の生活に重くのしかかった。金森は取りやめに同意せず、農民たちは江戸へ向かい直訴を試みる。 | |||
監督 | 神山征二郎 | |||
出演 | 緒方直人 | 岩崎ひろみ | 古田新太 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★★ |
コメント | 「だちかんっ!」と重税に苦しめられた農民は怒りに震える。子どもが生まれたばかりの定次郎(緒方)も農民の代表として江戸へ。直訴は死罪をも覚悟しなければならない。 序盤から、圧倒されるくらいの迫力の農民たちと、お墨付きを出しておきながら険見取りの強攻策という裏切り行為をする藩主。一旦は村預けとなるが、籠訴と奉られる定次郎。庄屋を利用して取り潰しにかかる金森。そして死を覚悟して再度の直訴。流血革命のような『草の乱』と比べると、正当な手続きを踏んでいる。現在の裁判制度が遅いのは伝統的なものなんだと納得してしまった。 それにしても、読み書きもできるし学のある百姓にはおそれいった。時代劇によく現れる無能な農民のイメージとは全く違う。信念を持った誇り高き農民の姿が描かれているのだ。 (2005.4)
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クジラの島の少女 | 2002 ニュージーランド/ドイツ 日本ヘラルド WHALE RIDER |
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ストーリー | ニュージーランドの海の近くの村。マオリ族の長コロは勇者パイケアの伝説を信じて後継者を望んでいたが、双子の孫が生まれると男の子と母親が死んでしまい、残った孫は女の子のパイだけだった。 | |||
監督 | ニキ・カーロ | |||
出演 | ケイシャ・キャッスル=ヒューズ | ラウィリ・パラテーン | ヴィッキー・ホートン | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
コメント | 海辺にクジラの群れが打ち上げらて、村人が集まるシーンは『ライアンの娘』を彷彿させる。クジラを労わる彼らの努力がひしひしと伝わってきた。ここで思ったのが、この映画がアメリカで評価されたのもクジラを愛してやまないからなのかもしれないということでした。その後のシーンは想像ついたものの、『風の谷のナウシカ』を思い出させるファンタジーとなって気持ちが良かったですね。子供が主役の映画と言えば、やはり学芸会!自然と涙を誘うケイシャの演技が見事でしたよ! (2004.2)
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クスノキの匂い、ジャスミンの香り | 2000 イラン イラン映画祭2004 SMELL OF CAMPHOR,FRAGRANCE OF JASMIN |
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ストーリー | 24年間映画を撮っていない映画監督ファルジャミが日本からイランの葬儀に関するドキュメンタリーを依頼されていた。 | |||
監督 | バフマン・ファルマナーラ | |||
出演 | バフマン・ファルマナーラ | ロヤ・ノナハリ | レザ・キヤニアン | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | 監督自らが主役である映画監督を演じた作品。第1幕で最悪な日を経験するエピソードでは、DVなど世の中をブラックに批判した内容で進む。あくまでもドキュメンタリータッチの作風にこだわった映像で、どちらかと言うと暗い雰囲気だった。何箇所にも散りばめられた葬儀に関する説明が入り、この暗さに拍車をかけたほどであり、途中でこの映画の展開が心配にもなった。 しかし、第2幕の中盤に痴呆の母親の映像がすごかった。いきなり感動させるなよ、と監督のずるさに突っ込みを入れたくなったくらいだ。一貫した根底のテーマには、老いに関するものと自分の死に関すること。時折、夢や妄想で驚くほどの映像で映画を引き締めています。どうしようもない暗さで終るのではなく、単純なことで生への執着を見せるということで救われた気がした。 (2004.11)
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薬指の標本 | 2004 フランス エレファント・ピクチャー L' ANNULAIRE |
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ストーリー | 工場の瓶詰め作業中に薬指の先を落とす怪我をした若き女性イリスは職を求め標本ラボの門をくぐる。博士から靴のプレゼントを受けたイリスはそのまま仕事を続けるが・・・ | |||
監督 | ディアーヌ・ベルトラン 原作:小川洋子 | |||
出演 | オルガ・キュリレンコ | マルク・バルベ | スタイプ・エルツェッグ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★ | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | 「君の靴のサイズは・・・わかってる」 幻想的、官能的な雰囲気に包まれる元大浴場のラボ。靴のサイズを聞くまでもなく新しい靴のプレゼントをする博士だった。もしかすると、潔い数字だったのかもしれないが、自らすすんで靴をイリス(オルガ・キュリレンコ)に履かせるシーンを見ていると、これは小川洋子原作の「博士太郎(履かせたろう)の愛した化学式」だったのかもしれない。 序盤から薬指を切ってしまうというショッキング映像によってスクリーンに引き込まれ、ホテルでは昼夜交互の奇妙な相部屋となったという設定によって心奪われる。現実的なホテルや港と森の中にある幻想的なラボとが絶妙なバランスを保ち、語ったこともない相部屋の青年は主人公イリスの残した衣装の残り香を楽しむかのように物思いにふける。しかし、イリスは以前勤めていた工場で左手の薬指の先を切り落とすという事故に見舞われていたのだ。指輪をはめる薬指がその現実的な男女の恋を拒絶しているかのように、彼女は次第に現実離れした世界に自分の居場所を確保してしまったかのようでした。 標本室という奇妙な職場。そこには人々が自分から遠ざけたいものを預け保管してもらいたいとやってくる。「思い出の音楽を預かってもらいたい」などと注文されたら、普通はテープやCDに録音するのかと想像しますが、ここでは住人の老女にピアノを弾かせ、その音を標本瓶に入れておくのです。やがて一人の若い女性が訪ねてきて「頬の火傷を標本してほしい」と注文を出す・・・ イリスは虚弱体質じゃないんだろうけど、手に持ったモノをよく落とします。ただでさえこのようにバランス感覚が悪いのに、プレゼントされた靴によって心身ともにバランスを崩しはじめる。にじみ出る欲望のはけ口を見つけたかのように、博士に体を委ねるほどの精神状態に徐々に陥る様子がうかがえます。そして、謎の古びた集合写真や、どこまでが彼女の妄想かわからないような一人の少年の姿がちらついてくる。幽霊?幻影?現実とは微妙に違う感覚と現実の世界の橋渡し的存在だった靴磨きの黒人男性も印象に残ります。 (2006.12)
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