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大巨獣ガッパ 1967 日本
日活
GAPPA-TRIPHIBIAN MONSTER
ストーリー  キャサリン諸島のオベリスク島をモデルにして、国内アミューズメントパークを作ろうとするプレイメイト社。調査探検隊はガッパという怪獣の子どもを発見し、研究のため日本に連れかえる。
監督 野口晴康
出演 川地民夫 山本陽子 桂小かん
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★
コメント  『ジュラシックパーク』のような南国のパラダイスを作る計画。日活が作っただけあって、美女をはべらしたりする大人向けの楽園なのだ。火山噴火や地震の多い島オベリスクは、日本語を喋れる老人がいることから旧日本軍が占領した島だと想像できる。捕まえた子ガッパを連れかえるという発想はまさしく『キングコング』。東宝『ゴジラ』、大映『ガメラ』の大ヒットによって、怪獣ブームに便乗した作品だが、かなりカルト映画的な存在となった。
 熱海に上陸した二匹の親ガッパ。迎え撃つのは自衛隊。熱海のホテル群のミニチュアモデルがいい雰囲気だし、芦ノ湖、河口湖と富士山、空港の夕焼けなど、自然の背景が意外と美しい。
 山本陽子が可愛くて魅力的。しかし、カメラマンという設定なのに、ほとんど写真を撮らないのはご愛嬌でしょう。愛嬌といえば、ガッパの造形。子どもに好感が持てるようにと苦労したのだろうけど、やはり変な顔である。しかし、テーマは親子の愛。ラストの親子の対面は泣けてくるかも・・・
(2005.7)

第三の男 1949 イギリス
東和=東宝
THE THIRD MAN
ストーリー  戦後のオーストリア、ウィーン。作家のホリー・マーティンスは友人ハリー・ライムの招きでやってくるが、彼は死んでいた。主治医ビンケルのお抱え運転手がはねたのだが、死体を運んだ三人の男のうち三番目の男が見つからなかった。
監督 キャロル・リード
出演 ジョセフ・コットン オーソン・ウェルズ アリダ・ヴァリ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★★ ★★★ ★★★★★ ★★★ ★★★★★
コメント  米英仏露の4つに分割されたウィーン。皮肉なことに共通語はドイツ語。クルツ、ポペスク、そしてもう一人は?女も怪しいし、医者も怪しい・・・というサスペンスだ。
 キャラハンとキャロウェイ、ハリーとホリー、名前を必ず間違える伏線。三文小説家と貶されたり、いきなりのパーティで英文学の質問ばかりされてさっぱり答えられないマーティンス。結局は友人に利用されるだけされて、それでも優しい彼の生き方も素敵だ。
 チターの演奏が東欧の雰囲気を醸し出し、わからない外国語の中での疎外感はアメリカ人らしくないアメリカ人マーティンスに哀愁を帯びさせてます。中盤あたりのカメラワークが猫を使ったり、花の中にカメラを入れたりと実験的で、かなり凝っていることにも気づきました。最初に観たのは小学生の頃で、当時の方が緊張感を味わった。
 ラストの枯葉散る並木道は、以降色んな映画で取り入れられている手法ですよね・・・これが元祖なのかは知らないけれど。

1950年アカデミー賞撮影賞(白黒)
同監督賞、編集賞ノミネート
1949年カンヌ国際映画祭グランプリ
その他
(2005.2)

タイタンズを忘れない 2000 アメリカ
ブエナ
REMEMBER THE TITANS
ストーリー  1971年、いまだに人種差別があったヴァージニア州。ある町で白人と黒人の高校が統合された。アメフトチームも白人と黒人が一緒にプレーすることになった。
監督 ボアズ・イェーキン 製作:ジェリー・ブラッカイマー
出演 デンゼル・ワシントン ライアン・ハースト ウィル・パットン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  ジェリー・ルイスとディーン・マーチンと言われると屈辱なのかな?やはり若者が仲良くなるにはジョークと音楽!学校始業前の合宿では黒人・白人が仲良くなる過程が面白かった。合宿後にいきなり現実に戻される演出も見事だった。
 カリフォルニア産のロニー(キップ・バルデュー)が突如目立つのはどうかと思ったけど、他のメンバーがいいですね。『きみに読む物語』のアラン(ライアン・ゴズリング)もいい味出してた。しかし、細かいルールがさっぱりわからない。人種差別を無くすための学園青春映画ととらえれば、いい出来だった。
(2005.2)

タイタンの戦い 1981 アメリカ
MGM=CIC
CLASH OF THE TITANS
ストーリー  アルゴス王に捨てられた勇者ペルセウスと王女アンドロメダ。
監督 デズモンド・デイヴィス
出演 ハリー・ハムリン ジュディ・バウカー ローレンス・オリヴィエ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★ ★★★★ ★★★ ★★★
コメント  ヨッパの街。英語読みではジョッパ。酔っ払いの町かと勘違いしてしまった。
 女神の一人がマギー・スミス。ゼウスはローレンス・オリヴィエだ。しかし、このゼウスは姿形からは威厳を感じられない。ただの女好きの神といった雰囲気だ。
 ペルセウスはいきなり剣、盾、冑を神から授かるが、この冑が透明のカブトなのだ。これがあれば無敵だ。クラーケンという怪物を倒さなければならないペルセウスはメドゥーサの目を探さねばならなくなった。
 人形を使った一コマずつの撮影。実写と組み合わせる手法はずいぶん昔からあるけど、怪物がいっぱい出てくるので楽しめました。特にメドゥーサがよかった。しかし、ロボットみたいなふくろうだけは要らない。R2D2のパクリっぽいし・・・
(2005.6)

隊長ブーリバ 1962 アメリカ
UA
TARAS BULBA
ストーリー  16世紀。トルコ軍を撃退したポーランド軍。コサックが加担して勝利をもたらしたので、ウクライナの地を保証され、息子たちもポーランドの学校に入学するが・・・
監督 J・リー・トンプソン
出演 ユル・ブリンナー トニー・カーティス クリスティーネ・カウフマン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★ ★★★★ ★★★ ★★★
コメント  騎馬民族。弁髪。ロシアなのか、モンゴルなのかよくわからなかった。
 父と息子の葛藤。外国人との恋。結局戦うことになるんだ。あのひび割れした崖ば結構すごい迫力。しかし、民族同士の戦争ではあるけど、理由がちょっとつまらない。
 もっとロシア民謡を流せばいいのに・・・

1962年アカデミー賞作曲賞ノミネート
(2005.9)

大統領の理髪師 2004 韓国
アルバトロス
THE PRESIDENT'S BARBER
ストーリー  1960年代、大統領が住む地域の理髪師ソン・ハンモは官邸専属の理髪師に任命された。
監督 イム・チャンサン
出演 ソン・ガンホ ムン・ソリ ソ・ビョンホ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★★ ★★★ ★★★ ★★★
コメント  韓国“裏”四天王のソン・ガンホが良かった。【注】裏四天王・・・ソン・ガンホ、アン・ソンギ、ソル・ギョング、チェ・ミンシク。
 ここまでやるか!というくらいのウン○ネタ。ムン・ソリにまで言わせてるし・・・検便、下痢=マルクス病、トドメは飲みこんでしまった竜の目をきばって・・・それを息子に飲ませるなんて!彼は“それ”の経路を知ってか知らずか、暖かい家族愛を感じるのです。
 前半は、過去の韓国の汚点を曝け出すかのように不正な選挙や、大統領の国民に対して思ってる政策など、風刺がピリリと効いていた。また、現状維持を是とする、言わば保守的な政治関心度のため独裁的な大統領を親愛してしまう人々をコミカルに描き、『殺人の追憶』や『シルミド』にも通ずる社会派ドラマとなっていました。
 床屋と大統領というモチーフに関しては、真っ先に『チャップリンの独裁者』を思い起こしますが、この映画では、主人公や近所の友人たちはどちらかというと一本筋がない。主人公が演説したり主張したりする場面などはもちろんなく、韓国激動の時代に翻弄される一般庶民を描いていました。つまり、当時の韓国国民の誰もが政治に無関心であり、北朝鮮への敵対心のみで現政権を受け入れてしまった事実だったのです。無学な庶民を利用して独裁政治を行うなんてことは対岸の火事と笑ってはいられない。日本においても、こうした考えを持つ政治家は多いのです。
 後半になると、下痢が北朝鮮からもたらされた感染病というエピソードに集約され、拷問を受けた息子への愛を中心に描かれてました(若干失速気味)。前半での社会派ドラマが一転して家族ドラマに変わってしまったような印象です。もしかすると「四捨五入」ネタを最後まで引っ張るのかと思っていたけど、この「四捨五入」というテーマだけでも奥深いものがありましたよね・・・
(2005.5)

タイトロープ 1984 アメリカ
WB
TIGHTROPE
ストーリー  ニューオリンズ警察署のブロック刑事は連続娼婦殺人事件を捜査する。
監督 リチャード・タッグル
出演 クリント・イーストウッド ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド ダン・ヘダヤ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★ ★★★★ ★★★ ★★★
コメント  序盤の不審な警官のスニーカーの大写しから、ブロック(イーストウッド)のスニーカーへと映像が変わる。犯人がブロック刑事であるかのようなミスリードのためだろうか。
 二人の娘がいるやもめ刑事。一人はイーストウッドの娘アリソンだ。娘に「またボッキできていいじゃない」と言われるくらい心配されている。そして、娼婦の聞きこみをするために、ちょっとだけ遊んでしまうだらしない男でもある。捜査上のこととはいえ、SMやゲイの世界をも描いて、現代の病巣を浮き彫りにしている。
 展開としては、やがてレイプ救済センターの女性ベリルや娘にも魔の手を伸ばす未知なる犯人。後半は一気にスリル&サスペンスモードへ突入。どんどん『13日の金曜日』並みのシリアル・キラーになってゆく・・・
 ラストに犯人の腕が列車に轢かれてもぎ取れた!ドキッ
(2005.11)

ダイナソー 2000 アメリカ
ブエナ
DINOSAUR
ストーリー  6500万年前の白亜紀。猿の群れで育てられた草食恐竜アラダ。天変地異が起こり、いのちの大地を求めて大移動を始める・・・
監督 エリック・レイトン
出演 D・B・スウィーニー
袴田吉彦
ジュリアナ・マーグリーズ  江角マキ子  ジョーン・プロウライト 
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★ ★★★★★ ★★ ★★★
コメント  CG映像の恐竜世界。アラダーは猿に育てられたので仲間を知らない。天変地異のせいで、草食恐竜たちの群れに遭遇し、一緒に「いのちの大地」を目指すのだ。途中、肉食竜に狙われたり、群れのボスと対立したりと、ストーリー的にはどこにでもある話であり、すべて予想がついてしまう。冒頭部分は大人でも楽しめるけど、あとは子供向けか?
(2005.8)

タイムコップ 1994 アメリカ
日本ビクター=UIP
TIMECOP
ストーリー  1994年に妻を爆破によって妻を失ったウォーカー。2004年に秘密警察組織TECの一員として、過去に戻って悪事を働く議員の行為を阻止するためにタイムマシンに乗り込む。
監督 ピーター・ハイアムズ
出演 ジャン=クロード・ヴァン・ダム ミア・サラー ロン・シルバー
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★ ★★★★ ★★★ ★★★
コメント  ヴァン・ダム主演映画の中ではまともな映画だ。ストーリーの中心となるのはウォーカー夫妻が襲われた1994年と現在である2004年。複雑にしすぎなかったのでタイムパラドクスはすんなり受け入れられた。しかし、アクション面ではヴァン・ダムらしさが見られず、2箇所出てくる開脚だけが冴えていた。それと、トラックに轢かれそうになる場面。
 むしろVFX面で、ロン・シルバー演ずるマッコム議員が合体するところは面白かった。
(2005.1)

タイムコップ2 2003 アメリカ
劇場未公開
TIMECOP 2
ストーリー  2025年、時空警察TECのライアンは1940年のヒトラーを暗殺しようとするミラーを阻止し誤って彼の妻を殺してしまう。その後、ミラーは刑務所に入るが、TECメンバーのダグラスが誤って過去の自分に遭遇し死亡。そのためダグラスが検挙した時空犯罪者逃亡してしまった・・・
監督 スティーヴ・ボーヤム
出演 ジェイソン・スコット・リー トーマス・イアン・グリフィス タヴァ・スマイリー
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★ ★★★ ★★ ★★
コメント  真剣に観ていないと置いてけぼりを食らってしまう。TECと歴史証明協会とは対立しており、ヒトラーに虐殺された数百万のユダヤ人を救おうとミラーは暗殺を思い立つことが事件の発端なのだ。心情的にはヒトラーを殺してやりたいが、そうなると歴史が変わってしまう。タイムパラドクスを尊重するか人権を尊重するか・・・いきなりの命題だ。しかし、この面白い設定はほとんど生かされておらず、ミラーのライアンに対する個人的な怨みが中心となってしまう。残念。
 19世紀に移動して中国人を殺してもライアンが生きているという面白さも、ほとんど説明されておらず、中国人の混血は優性遺伝のためか、元は西洋人だったようだ。過去の自分と遭遇して死んでしまうかとエンディングを想像したが、ライアンも少年時代と遭遇しているし、何も起こらないで終わってしまい、結局単なるアクション映画だったのだと印象づけてしまった。
(2005.4)

ダウン・バイ・ロー 1986 アメリカ/西ドイツ
フランス映画社
DOWN BY LAW
ストーリー  ニューオリンズ。ジャックとザックがそれぞれハメられてムショに入れられる。同じ房にロベルトというイタリア男が加わり、脱走し、風変わりな逃亡劇を繰り広げる・・・
監督 ジム・ジャームッシュ
出演 トム・ウェイツ ジョン・ルーリー ロベルト・ベニーニ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★ ★★★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  む、最初はモノクロームのハードボイルドでありながら、脱力系の台詞のオンパレード。最初からつまらなさ満載だったのだが、ロベルト・ベニーニが加わると、俄然面白くなってくる。
 殺人を犯したというイタリア人旅行者のロベルトは英語が得意じゃなく、メモ帳に頼っている。牢獄の中では「アイスクリーム」と大合唱するところが楽しい。
 逃亡の末、行きついた先がルイージの店。そこには一人イタリア娘ニコレッタが住んでいて、あっという間にロベルトと恋に落ち、ロベルトはそこに永住することを決意。ジャックとザックは互いに反目しあう仲であるが、なぜか惹かれ会うところがある。ラストの岐路。二人が別々の道を選択するという人生の投影が白黒映像にぴたりと当てはまる。
 ロベルト・ベニーニとニコレッタ・ブラスキとは夫婦。彼の映画では必ず出てくるようになった。

1986年カンヌ国際映画祭コンペ
1986年インディペンデント・スピリット賞作品賞、監督賞、主演男優賞(ベニーニ)、撮影賞ノミネート
(2005.10)





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