姑獲鳥の夏(うぶめのなつ) | 2005 日本 日本ヘラルド映画 |
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ストーリー | 20ヶ月妊娠している女がいる。久遠寺医院にまつわる妙な噂と1人の女性の殺人事件。その久遠寺涼子が榎木津探偵事務所に妹の夫が失踪したことを調査して欲しいと依頼する。 | |||
監督 | 実相寺昭雄 原作:京極夏彦 | |||
出演 | 堤真一 | 永瀬正敏 | 阿部寛 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★ | ★★★ | ★★★ | ★★ |
コメント | 走らない堤真一には魅力がない! 目まぐるしく回転するカメラとサブリミナル効果のようなフラッシュ映像。そして、なぜか首を傾けたくなる斜めアングル。効果音にはウルトラマンで使われるような懐かしい電子音で脳髄を刺激してくる。昭和20年代の古き町並と室内小道具が目にやさしい反面、カエル顔の連続映像によって目がチカチカしてきました(眠かったせいもある)。京極作品は全く読んだことがないのですが、雰囲気だけはよく伝わりました。 正直言って、ストーリーそのものや20ヶ月妊娠、産院での子の死亡などの謎解きに全く興味が沸かず、妖怪が登場しないことにも愕然となってしまいました。そうです。「世の中には不思議なことなど何もないのだよ、関口君」の言葉どおり、不思議はないということを忘れていたからです。冒頭の京極堂による長台詞の中で、徳川家康と妖怪の信憑性については「今度使わせてもらおう」と思ったほどインパクトがあったのに、人の記憶が見えてしまう榎木津の非科学的要素により理解不能に陥ったのも原因の一つかもしれません。 堤真一は難しい内容の長い台詞をよく覚えたもんだ。田中麗奈もよかったし、原田知世だって『時をかける少女』や『天国にいちばん近い島』からみると格段に上手くなっている(いつの時代だ…)。なんといっても京極夏彦のカメオ出演が不気味でよかったですね。クレジットには水木しげると書いてありました。『妖怪大戦争』の前哨戦といった雰囲気ですよね・・・宮迫も出演するし・・・ ところで、20ヶ月の妊娠ってのはどうなんでしょう?「ブラックジャック」のピノコだって大人になるまでお腹の中にいたんだし、ちょっと物足りないような気がする。変わったところでは、井上ひさし著の短編集「他人の血」の中の一篇「他人の臍」には17年間妊娠している女性が登場する。胎児は子宮の中で大人になり、喋るし、タバコは吸うし、雑誌まで読んでしまうという、とんでもないナンセンス・ブラックなのだが、これが実に面白い。読んだことがある人はいるでしょうか・・・ (2005.7)
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