プライドと偏見 | 2005 イギリス UIP PRIDE & PREJUDICE |
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ストーリー | 18世紀末イギリス。田舎町に住むベネット家には5人の娘がいたが、女性には相続権のない時代。いかに裕福な家庭へ嫁ぐかが重要課題であった。そんなある日、近所に大富豪ビングリーが引越してきて、長女ジェーンが気に入られ、親友のダーシーはエリザベスと対立する。 | |||
監督 | ジョー・ライト | |||
出演 | キーラ・ナイトレイ | マシュー・マクファディン | ドナルド・サザーランド | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | なぜカタカナ英語と漢字? 戸田奈津子先生も頑張ってました。平坦な現代英語なのに無理してカタカナ英語を使わないようにして、気品のある格調高い翻訳を目指したのでしょう。しかし、邦題は後から付けたのでしょうか、戸田先生の努力が報われていません。わざわざ“jealousy”を“やっかみ”などという言葉に置き換えたりしたんですよ。「やっかみって何だっけ?」と思わず考えてしまい、戸田先生の顔を思い浮かべてしまったじゃありませんか・・・ちなみに“prejudice”という英単語は大学受験においても最重要な単語です。森一郎先生の「試験にでる英単語」の最初のページに登場するくらいでして、それだけで懐かしかったりします。 ベネット家の長女ジェーンはロザムンド・パイク。キーラ・ナイトレイも美しかったのですが、彼女もボンド・ガールを経験しているだけあってとても綺麗です。しかもグラマーなのです。キーラと並ぶとキーラがかなり貧弱に映ります。そして、憎らしい役のキャサリン夫人=ジュディ・デンチ!彼女はもちろん最近の007シリーズにおける“M”です。もしかすると、次期ジェームズ・ボンドはマシュー・マクファディン?などと妄想も膨らみますが、その点は007専門サイトにおまかせします。 女性が財産相続権を持たない時代なので、資産家と結婚するということを親が望み娘たちも憧れる。5人の娘たちの思惑も個性があって楽しめました。ダンスもできないし、資産もない者が言うのもなんですが、男性の目はどの子を一番気に入るかということも議論の的になるでしょう。ちょっと気になったのは石野陽子に似てると感じたメアリーです(似てないかもしれません)。みんな飽きたと言っているのにピアノを弾き続ける天真爛漫さは注目です。 なぜか俳優評ばかりになってしまいますが、やばい将校のウィッカム氏。どことなく肉のついたオーランド・ブルームといった風貌で声もそっくりだったので、キーラ嬢と並ぶとどうしても『パイレーツ・オブ・カリビアン』を思い出してしまいます。もしかすると、ジョニー・デップに似た俳優もいるのではないかと期待が膨らみましたが、さすがにいなかったようですね・・・ 作品そのものでは、舞踏会での長回しシーンが素敵でした。夫婦で招待されたら席は離ればなれにしなければならないマナーというウンチクも盛り込んであったり(品がないことを表現したものかも)、ベネット家の貧しさを強調するためハエが飛ぶ音を入れたりと不思議なこだわりもありました。欲を言えば、ラストにもっと余韻を残すような編集にしてほしかった・・・ (2006.1)
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フライトプラン | 2005 アメリカ ブエナビスタ FLIGHTPLAN |
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ストーリー | ジャンボジェット機に一緒に乗ったはずの娘ジュリアが行方不明! | |||
監督 | ロベルト・シュヴェンケ | |||
出演 | ジョディ・フォスター | ピーター・サースガード | ショーン・ビーン | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★ |
コメント | ジュリア!ジュリアはどこなの!?と、子供への愛情でジュリアン・ムーアと対決する姿勢が剥き出しとなったジョディ・フォスター。 『フォーガットン』のことは文字通り忘れ去ってしまったかと思っていたら、また思い出してしまいました(ほとんどの人が思い出します)。どちらも母親の愛の力を強烈にアピールしていて、半狂乱になってしまうところや、走る姿もそっくりです。そして『フォーガットン』での息子の死は飛行機事故によるものだったということも関連があるような気がします。違いは宇宙人が登場しないこと。それほど意外な展開はありません。 映画のほとんどがジャンボ旅客機という密室の中。最近は各座席で映画が見れるのか〜などと、10年くらい飛行機に乗ったことがないので新鮮でした(恥)。パスポートはもちろん昔の大きいサイズのものしか持っていません。最近では“フライト・アテンダント”と言わなければならないんだと考えながら、呼ぶときにはどう言えばいいんだろう?と疑問に思っているのですが、映画では「ステュー」などと呼んでました。さすがに「フライト・アテンダントさん!」って言い難いですもんね。で、実際はどうなのよ・・・ 航空保安官という存在を初めて知った驚きもありましたが、悪役じゃないショーン・ビーンを『スタンドアップ』に続いてまた見てしまったという驚きのほうが大きかったです。どうして彼はこうも存在感があるんだろう。もしかしたら彼が宇宙人で、人間のマスクをかぶっているんじゃないかとも妄想してしまうじゃありませんか・・・これもミスリードの手法なのかもしれません。 謎が解けてしまってからは、ミステリーがアクション映画へと変貌を遂げます。ちょっとおかしいぞとツッコミを入れてしまいたくなる箇所も多いのですが、娘のためなら命も惜しまないといったジョディ・フォスターの演技に圧倒されてしまう。そして、他人のことは無関心である人が多いことやアラブ人に対する偏見などといった社会派要素までも盛り込んだ娯楽作となっていて、気軽に楽しめるディズニー映画でもありました。 (2006.1)
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ブラック・ジャック ふたりの黒い医者 | 2005 日本 東宝 |
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ストーリー | 大企業ダイダロスのビルが過激派によって爆破される。鉄骨に挟まれた少年を救い、京都ではある母親を救うが、そこで安楽死専門のDr.キリコに出会う。 | |||
監督 | 手塚眞 | |||
出演 | 大塚明夫 | 水谷優子 | 鹿賀丈史 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★ | ★★★ | ★★ | ★★ | ★★ |
コメント | 『キング・コング』ではジャック・ブラックの演技を楽しんだ。ジャック・ブラックもブラック・ジャックも大好きです。 現在放映中のTVアニメ『ブラック・ジャック』は一度も見たことがない。以前に作られた長編アニメを数本見た程度です。実写版では本木雅弘や加山雄三、隆大介、古くは宍戸錠まで演じているほど人気のある手塚治虫作品。原作コミックが好きなので、アニメや実写版を今まで敢えて見たいとは思わなかったのですが、今年は『ミリオンダラー・ベイビー』や『海を飛ぶ夢』などで安楽死を考えさせられることが多かったので、今年の安楽死問題の締めくくりとして鑑賞しました。 ドクター・キリコ。彼の安楽死に対する考え方は、原作に夢中になっていた10代の少年にとってはショッキングなものでした。大学受験の時期、金沢大学医学部の二次試験の小論文ではテーマが「安楽死について」でした。しかも二次試験は小論文のみなのです。「これなら書ける!」と医学部を受ければよかったと友人と話し合ったものですが、一次試験の点数が圧倒的に足りないだろうとバカにされたことを思い出しました。そのくらいDr.キリコの影響力が強かったのです。 手塚治虫先生の息子眞氏がオリジナルの視点を取り入れたという今作。三つの有名なエピソードから始まり、原作をアレンジした孤島での細菌兵器研究所が中心となっています。爆弾テロや細菌兵器など、子供に理解できるのか?と疑問に思いつつ、社会派要素を取り入れた部分は上手く作られてますが、安楽死問題に関してはちょっとあっさりしていました。また、ほんの数秒のシーンでしたが、黒男の少年時代の映像が涙を誘います・・・ 尚、同時上映の短編『Dr.ピノコの森の冒険』は完全に子供向けです。 (2005.12)
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フリー・ウィリー | 1993 アメリカ WB FREE WILLY |
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ストーリー | 仲間と落書きをした孤児のジェシー。水族館でシャチのウィリーに出会う。人に慣つかないウィリーだったが、ジェシーのハーモニカに反応し、次第に心を通わせるように | |||
監督 | サイモン・ウィンサー | |||
出演 | ジェイソン・ジェームズ・リクター | ロリ・ペティ | ジェイン・アトキンソン | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | 『オルカ』を観たときの迫力ある映像。あの映画は悲しいだけだったけど・・・ ジェシーの里親になったグレン(マイケル・マドセン)がなかなか渋い演技。一方、シャチが邪魔だと言い張る悪いやつはマイケル・アイアンサイド。ジェシーが芸を仕込んでいる姿を見物して可能性にかける。しかしウィリー・ショーでは子供たちが水槽で騒ぎ、落ちつかなくなったため芸は失敗した上に、水槽が破損・・・ 最後にはウィリーを海に逃がすという無謀な計画。ハラハラ、ドキドキ・・・ 1994年MTVムービーアワード 歌曲賞(マイケル・ジャクソン) (2006.2)
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フリー・ウィリー2 | 1995 アメリカ WB FREE WILLY 2: THE ADVENTURE HOME |
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ストーリー | ウィリーを海に逃がしてから2年。ジェシーの母親は亡くなり、異父兄弟のエルビスがやってきた。ウィリーたちとの再会やナディーンという女の子とも仲良くなるが・・・タンカーが座礁し、重油が・・・ | |||
監督 | ドワイト・H・リトル | |||
出演 | ジェイソン・ジェームズ・リクター | マイケル・マドセン | ジェイン・アトキンソン | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★ | ★★★ | ★★★ | ★★ |
コメント | 完全に子供向けストーリーなんだけど、女の子の存在によって「もしや?」と変なことまで想像してしまう。だって、マドセン父ちゃん(育ての父)がセックスについて注意するんだもん。 (2008.12)
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震える舌 | 1980 日本 松竹 |
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ストーリー | 破傷風にかかった娘を助けるために奮闘する夫婦と医師の物語。 | |||
監督 | 野村芳太郎 | |||
出演 | 渡瀬恒彦 | 十朱幸代 | 中野良子 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
コメント | 破傷風にかかる物語なんて珍しい。記憶にあるのはTV版ウルトラマンの怪獣島へ行ったエピソードしか記憶がない(しかもうろ覚え)。 冒頭、アート系映画なのかと思わせるほど赤みがかった少女のイメージ映像。小川の中の泥水で戯れ、指先に小さな怪我をする。少女の両親(渡瀬恒彦、十朱幸代)は口を開かなくなった娘・昌子(若命真裕子)を心配するものの、かかりつけ医に見せたときには単なる風邪と言われただけだった。しかし、突如舌をを噛んで血だらけになった昌子に驚き救急車を呼ぶ・・・ 痙攣を起こす度に舌を噛んでしまい、背筋をエビゾリにして硬直する様子はまるで『エクソシスト』を観ている雰囲気にさせられる。痛々しい悲鳴に慌てふためく両親の姿と、少女の演技に身震いさせられるほど。看病するうちに憔悴しきってやつれた顔になっていく変貌ぶりにも驚かされた。破傷風って怖い病気なんだとあらためて思い知らされた。 個人的には親子の演技よりも、女医・中野良子に見入ってしまいました。しかも、建て替えられる前の聖路加国際病院の全面協力。一流の病院なので医療器具や治療方針など、そして医者も失敗することなどないはずだと、安心して観ていられました。家族たちが悪魔に憑依されたかのような雰囲気だったのに対し、彼女が天使や聖母のような優しさの空気を醸し出していたようです。 1980年ブルーリボン賞主演女優賞(十朱) (2006.2)
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ブレア・ウィッチ・プロジェクト | 1999 アメリカ アスミック・エース=クロック・ワークス=松竹 THE BLAIR WITCH PROJECT |
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ストーリー | 1994年、映画製作の学生たちがメリーランド州の森の中へ入り、行方不明となった。1年後フィルムだけが発見された・・・ | |||
監督 | ダニエル・マイリック | |||
出演 | ヘザー・ドナヒュー | マイケル・C・ウィリアムズ | ジョシュア・レナード | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★ | ★ | ★★★ | ★ | ★ |
コメント | アイデア一発勝負。嘘のドキュメンタリーを作るということが、社会現象を巻き起こすほどになった。公開当時に観なかったために、最初から嘘とわかっていてつまらなくさせる。予備知識無しで劇場で観ると、それなりに評価していたかもしれない。 ラストの家を発見するまでが退屈でしょうがない。肉片も石もさっぱり面白くないし、もうちょっと工夫があればいいと思う。今年の『ノロイ』はかなり凝っていたなぁ・・・ 1999年カンヌ国際映画祭ユース賞 1999年インディペンデント・スピリット賞新人作品賞 1999年ラジー賞主演女優賞 (2005.11)
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ブレードランナー | 1982 アメリカ WB BLADE RUNNER |
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ストーリー | 2019年、ロサンジェルス。反乱を起こした“レプリカント”を掃討するためにブレードランナーが組織されていた折、4体のレプリが地球に潜入した。 | |||
監督 | リドリー・スコット 原作:フィリップ・K・ディック | |||
出演 | ハリソン・フォード | ルトガー・ハウアー | ショーン・ヤング | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★★ | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★★★ |
コメント | 20〜30の質問によってレプリカントを見極める。タイレル社が開発したアンドロイドはそれほど精巧なものだったのだ。人間と違うのは感情だけ。舞台となるのは近未来のLA。日本街、チャイナタウン、異文化が融合した雑多な町。スモークがかったダークな雰囲気にネオンが幾何学的に美しく解け込んでいる。 寿司を食おうとしていたデッカード(ハリソン・フォード)が呼ばれ、捜査を始める。レイチェル(ショーン・ヤング)というレプリと親しくなり、ヘビ使いの女を倒すが、レプリと気づいたレイチェルはタイレル社を脱走する。 デッカードがレプリかどうか、そんな議論もあるようですが、かなり妄想に近い。質問することで判断することも面白いが、熱湯をかけても熱さを感じないのだから、そっちの方が楽だと思うけどなぁ。 とにかくSF映画史のエポックメイキング的な作品なので点数も甘め。 1982年アカデミー賞美術監督・装置賞、視覚効果賞ノミネート 1982年LA批評家協会賞撮影賞 1982年英国アカデミー賞撮影賞、プロダクションデザイン賞、衣装デザイン賞 その他 (2005.11)
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PROMISE | 2005 中国/日本/韓国 ワーナー THE PROMISE 無極 |
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ストーリー | 武侠ファンタジー。 | |||
監督 | チェン・カイコー | |||
出演 | 真田広之 | チャン・ドンゴン | セシリア・チャン | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | 闘牛士ごっこ、勘違い愛、鼻血対決、うそつき合戦、告白大会、殺し合い・・・最後まで嘘をつかなかったは誰だ? 嘘つきゲームは饅頭から始まった。神と人間が共存する神話の世界の武侠ファンタジー映画という新たなジャンルなのだろうか、神話と戦国絵巻物が絡みあって見たこともない映像によって不思議感覚につつまれてゆく。運命を司る天女のような女神“満神”が饅頭を騙し取った少女・傾城(セシリア・チャン)に「男から寵愛を受け不自由のない暮しをできる代り、真実の愛を得ることはできない」という約束をする。20年後彼女は王妃となっていた・・・ 敵を蹴散らした後、王を奪還するために城に忍び込もうとした際に、またもや満神が現れて予言をするため、嘘吐き第2ラウンドが開始する。奴隷の雪国人・昆崙(チャン・ドンゴン)と大将軍・光明(真田広之)の関係も嘘を黙認したかのような主従契約。光明と傾城の関係も嘘だらけの愛人契約。彼等と敵対する無歓(ニコラス・ツェー)とは騙し合い作戦が炸裂するという、壮大な嘘つきスパイラルの物語になっています。 人を信じられなくなる世界になった原因は傾城にあるのですが、いつの世も政争の陰には女ありきという教訓めいたことも訴えているように思います。さすがは楊貴妃を生んだ中国だけあって、こうした話はお得意。ちなみに、【傾城】とは白居易の「長恨歌」に出てくる言葉で、国王の心を惑わせて国や城を滅ぼしてしまうほど魅力のある美女のことを指すのですから、そのままのネーミングなのですね。そう考えると無歓や光明にもちょっとした意味があるような気もしてくるのですが、【崑崙】の意味は単なる辺境の地ということか、それとも食いしん坊の証しである北京崑崙飯店の意味なのか・・・ とにかくワイヤーアクション満載の漫画チックな映像である上、チャン・ドンゴンの加速装置がついたかのような俊足ぶり、黒衣をまとえば空まで飛べちゃうという完璧なファンタジー。同じような嘘つきエピソードが連続するため、神と観客はストーリーを反芻することが困難となります。最後には「あんた、本当は死んでないんでしょ?」などと疑心暗鬼にならないように心して鑑賞しなければなりません。 (2006.2)
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